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前十字靱帯はスポーツ選手などがよく損傷する靱帯の一つです。そして、この靱帯が損傷していると、不安定感が強くなり、スポーツだけではなく日常生活にも支障をきたすようになります。そのため、損傷の程度にもよりますが、手術が検討されることが多いです。

そこで今回は、この前十時靱帯の解剖学的特徴について述べます。

構造と機能

前十字靱帯(ACL)は、後十字靱帯(PCL)と合せて十字靱帯とされ、関節内にある扁平の強力な靱帯です。その走行は、関節内をお互いが交差するように斜めに走行するため、軸回線、特に脛骨の内戦によってお互いが絡み合う形になって緊張します。また、それぞれを構成している線維自体も螺旋構造をしています。

ACLは脛骨前内側に起始し、大腿骨後外側に付着します。PCLは、脛骨後外側に起始し、大腿骨前内側に付着します。つまり、この名前は脛骨のどこに付着しているのかで決められています。

またACLは、脛骨への付着によって前内側繊維と後外側繊維の2つの繊維束に分けられます。後外側繊維は前内側繊維と比較して長く、その走行から膝関節伸展でより緊張します。一方、前内側繊維は屈曲位で緊張し、伸展位で弛緩します。

このように、2つの繊維がお互いに各肢位で緊張することによって、絶えず関節の安定性を確保しています。しかし、屈曲40°付近においては、2つの繊維どちらも弛緩している状態になります。

以上のことから、前十字靱帯の機能的な役割は、膝関節の過伸展、過剰な内外反、脛骨の前方移動、過剰な内旋といった3次元的な動きの制動を行っているということになります。

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ちなみに靱帯強度としては、ACLと内側側副靱帯が同程度、PCLはACLの2倍の強度があるとされています。

ACLと半月板の関係性

ACLと半月板は発生段階で、同じ間葉細胞から派生します。そのためか、解剖学的にもお互い深い関係にあります。前十字靱帯の前部繊維は横靱帯と合流し、内外側半月板の前角に付着します。さらにACLの後外側繊維は、外側半月板にも付着しています。

このような構造によって、これらは協調して機能し、その役割を果たしています。一方で、このような関係性から、靱帯損傷は半月板にも何らかの影響が及ぼすことが多いです。さらに、靱帯の単独損傷であっても、その後の関節内運動の異常によって、将来的に半月板が損傷する可能性が高くなります。

例えば、ACLは脛骨の前内側方向への制動の役割を担っています。そして、内側半月板も脛骨プラトーに固定され、くさびとして働きこの動きを制動しています。もしACLが損傷してしまうと、この脛骨の前内側への制動が内側半月板のみに頼られるようになってしまいます。

先ほど述べたような構造的な関係性だけでなく、機能的にもお互いに関係しているため、これらの構造と機能の両方を理解しておくことが大切です。

今回は、ACLの構造と機能について解説しました。以上のように、ACLは膝関節の安定性に関与しており、構造的にも機能的にも半月板と深い関係にあります。そのため、ACLを損傷した場合、たとえ画像上問題がなくても、半月板にも何らかの影響があると考えて対応する必要があります。