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理学療法士として、治療手技に圧迫刺激を用いる人は多いです。私も強い圧迫刺激ではないですが、圧迫刺激は用います。最近は、トリガーポイント療法なども流行っています。

今回はこの圧迫刺激に関して、その効果を考えられる範囲で解説します。

筋膜リリース

圧迫刺激を行うに当たって、その刺激の強さは重要になります。この筋膜リリースに関しては、かなり弱い圧力で行います。私はこれを目的に圧迫刺激を使うことがほとんどです。筋膜リリースも、伸張刺激を加える場合(直接法)と、抵抗がない方向に誘導し、自然にリリースがかかるのを待つもの(間接法)があります。

直接法は、筋膜のコラーゲン繊維の「張力が加わる方向に配列する」という特徴を使います。持続的、反復的に刺激を加えることで、筋膜の伸張性が改善します。

間接法は、捻れている筋膜の捻れを解きほぐし、自然に筋膜の状態が元に戻っていくのを待つことになります。

トリガーポイント

トリガーポイントは、局所循環の障害に伴うポリモータル受容器の感作が生じ、筋拘縮とともに深部組織の浮腫により索状硬結ができると考えられています。
しかし、トリガーポイントの成因に関しては、まだ理論は確立されていません。

トリガーポイントの圧迫に関しては、圧迫により、一時的に虚血状態を作ります。その後、圧を開放することにより、反射的な充血が生じ、それにより局所循環が改善し、トリガーポイントが非活性化するというものです。

毛細血管の圧迫

慢性疼痛と毛細血管は、関係があるといわれています。これは、慢性疼痛の原因が「モヤモヤ血管」とよばれる、過剰な新生毛細血管にあるとされるものです。

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この過剰な毛細血管があることにより、
① 炎症細胞の供給路になる
② もやもや血管の周りに神経線維が増える
③ 無駄に血流が必要になるため、組織に必要なだけの酸素が供給されない

上記の①~③の状態が起こり、慢性疼痛につながっていると考えられています。

そして、この毛細血管は虚血に弱く、圧刺激を加え、一時的な虚血状態をつくることにより、消失させることができるといわれています。

自律神経系の反応

圧迫刺激は痛みを伴うことが多いです。人の体は、程よい侵害刺激が加わると、反射的に副交感神経系を活性化させます。この副交感神経の活性化は、局所循環の改善につながります。

程度にもよりますが、あまりに強い刺激では交感神経系を、弱い刺激ではリラクセーション効果で副交感神経系を、程よい刺激では自律神経の反射で副交感神経系が活性化されると考えます。そのため、この反応だけを考えると、あまり強い刺激は良くないのかもしれません。

以上のように、身体に対する圧刺激の効果は、刺激の強さ、治療対象組織により異なります。

圧迫刺激は、体の構造的問題を改善させ、「メカニカルストレスを除去すること」と「停滞したもしくは過剰になった炎症反応を正常化させ、治癒反応を促進すると」いった、2つの効果があると考えています。

筋膜リリースは、「身体へのメカニカルストレスの軽減」と「治癒に向けた炎症反応の促進」の両方に関与している印象です。その他の治療手技は、局所の炎症反応を促進し、治癒を促しているのではないかと考えます。

どちらにしても、あなたが行っている手技がどの組織を対象に、どのような効果を狙って行っているのかを明確にしておくことが大切だと考えます。