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理学療法では、他動にしても、自動にしても関節運動を伴う治療を行うことが多いです。そのようなとき、関節内でどのようなことが起こっているかを考えたことはあるでしょうか。

人間の軟骨は厚さ約3mmといわれており、約80年、関節内で荷重を受け続けます。もちろん、この軟骨が破壊され手術される人もいます。しかし、多くの人は手術をせずに関節機能が維持されます。

そこで今回は、関節が円滑に動く理由について、提唱さている理論を説明します。

関節の圧縮により、軟骨同士は接触しない

関節液は、血漿の透過液に「ヒアルロン酸」が加わったものとされます。血漿と比較し、タンパク質濃度が著しく低いのが特徴です。そして、関節液には粘稠性があります。この粘稠性の性質を与えているのがヒアルロン酸です。遅い関節運動では粘性が高く、速い関節運動では粘性が低くなります。この粘稠性があることにより、関節は円滑に動きます。

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一般的にいわれているように、加齢によりヒアルロン酸濃度が低下し、それに伴い関節の粘性も低下します。つまり、関節運動の円滑化も低下します。また、関節は圧迫されると軟骨が変形します。この変形は、軟骨内にある液体の大量流出によるものとされています。

このとき、大量に流出した液体が膜を作り、関節の潤滑に役立っているのです。これは、流出した液体により、膜様の構造物ができ、その膜同士が接触、滑ることにより関節の潤滑が行われるということです。

つまり、関節は圧縮されたとき、軟骨同士が接触しているわけではないということです。また、関節の牽引が行われると、この液体は軟骨に再吸収されます。

以上のことから、関節運動を行う際は、関節を圧縮して行うと潤滑が促される可能性が高いということです。
また不動により、関節の圧縮、牽引運動が行われないと、この潤滑作用も低下することが予測されます。さらに、関節内に関節液が貯留した際、関節運動を行うことにより、関節液の循環が促される可能性も示唆しています。

このように、関節は圧縮と牽引が加わることにより機能を発揮しているのです。