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四肢の拘縮の原因の一つに、阻血性拘縮があります。その中でも上肢の拘縮として有名なものにフォルクマン拘縮があります。

理学療法士として、遭遇する可能性の高いものでありますので、その基本的な病態や治療方針を知っておく必要があります。上腕骨顆上骨折に合併して起こる可能性が高いため、そのような症例を担当している人は特に注意が必要です。

そこで今回は、フォルクマン拘縮の病態と治療について解説します。

病態

フォルクマン拘縮は、上腕骨顆上骨折に合併して起こることで有名です。しかし、それ以外でも局所の出血や阻血後の腫脹、長期の圧迫や熱傷によって生じることがあります。

これらは、筋膜区画内圧の上昇で起こるコンパートメント症候群の結果で起こります。コンパートメント症候群によって壊死した筋線維は、最終的に線維組織として置き換わり拘縮を引き起こします。また拘縮は、筋間に走る神経に阻血と圧迫を引き起こし、さらに麻痺を進行させます。そのため、初期症状を見逃さないことが大切です。

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脈が触れない事が多いですが、脈が触れても発症している可能性はあるので注意が必要です。また、手指を他動的に伸展させると疼痛を誘発する場合も、この病態となっている可能性があります。

フォルクマン拘縮の典型例では、前腕回内、手関節屈曲、母指内転、他指のMP屈曲とIPの屈曲拘縮が起こります。

治療

初期段階では、筋の阻血による壊死を防ぐために筋膜切開などの除圧処置が必要になります。しかし、すでに壊死が進行した場合には、除圧しても再生しないため、装具などでの変形予防を行うことが大切になります。

通常、神経麻痺を伴わない場合は発症後6ヶ月以後に腱延長、あるいは屈筋群の起始部を使った筋解離術を行います。一方、神経麻痺を伴う場合は、発症後3ヶ月頃に神経剥離と壊死筋の切除を行い、腱移行あるいは遊離筋移殖などにより機能再建をはかります。

以上のように、阻血性の病態では早期発見、早期治療がとても大切になります。そのため、早期発見を行いやすい立場である理学療法士として、このような知識を有していることは必須です。