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関節可動域制限は、理学療法士が遭遇し、よく問題点にする症状の一つです。そして、関節可動域制限の改善を目的にROM-exを行う人は多いのではないでしょうか。しかし、関節可動域制限が起こっているということは何か原因があります。

その原因を考えずに、無理に可動域を広げようとすると、逆に可動範囲を狭くしてしまう可能性があります。

また関節変形も同様で、変形していることには意味があるのです。

今回は、関節可動域制限と関節変形に関して根本的な原因について解説します。

防衛反応としての可動域制限

関節可動域制限が起こっている原因の一つに、体の防衛反応が考えられます。

関節は、適合性が維持されることによってその機能を発揮します。つまり、関節の適合性が悪いと、関節の機能が発揮できません。そして、機能が発揮できないだけでなく、関節構造の破壊にもつながります。そのため、関節は適合性が維持されることを第一に優先します。

つまり、関節の適合性が維持されない状態を避けようとします。関節可動域制限が起こっているということは、その制限されている範囲以上のところでは、関節の適合性が維持されないということを意味します

このような場合は、拮抗筋にスパズムが生じることで制限を作ります。この筋スパズムは関節を保護するための防衛反応であり、身体にとって必要なものです。

多くの文献や本などに、拮抗筋のストレッチやマッサージなどを行うと、関節可動域制限の改善につながるなどと書かれています。しかし、以上のようなことを考えると、安易に拮抗筋を緩めるような治療は行えないのではないでしょうか。これは、術後の可動域制限に関しても同様のことがいえます。

不動による組織変化に伴う可動域制限

疼痛や、固定などによって、結合組織などの組織変化が起こり、可動域が制限される場合もあります。これは、組織の変性や、繊維化、脂肪化、癒着などの組織変化の結果として可動域制限が生じます。このような場合は、ストレッチやマッサージなどを積極的に行い、組織変化に対しての治療を行っていく必要があります。

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防衛反応による制限は、これ以上の問題が起こらないように可動域制限を作っており、組織変化を伴う制限は、組織に問題が起こってしまった結果、可動域制限が生じているということです

多くの理学療法士は、防衛反応による可動域制限について考えていません。先ほど述べたように、もし防衛反応による制限のケースで、ストレッチやマッサージなどを行い無理矢理可動範囲を広げると、関節が壊れてしまう可能性があります。

今あなたが向き合っている可動域制限は、どちらなのかを的確に判断し、治療方法を選択することが大切です。

変形は適応反応の結果

関節の機能は、その適合性が維持されることによって発揮されます。また、関節適合性が悪い状態で、体重がかかったり、力をいれたりすると、関節構造が破たんしてしまう可能性があります。

つまり、関節は第一に、その適合性の維持を図ろうとするのです。そして、関節の適合性が悪くなる前に、さまざまな手段を使って適合性を悪くしないようにします。

例えば、膝関節屈曲120°を超えると、脛骨の内旋の不足よって、関節の適合性が悪くなるとします。このような場合、大腿四頭筋など周囲筋に反射性のスパズムを生じ、それ以上曲がらないようにします。これが、スパズムが起こる原因です。

そして、そこからさらに無理に曲げようとすると、痛みで警戒信号を出します。それでも曲げようとすると、今度は骨の変形を起こし、無理矢理関節の適合性を維持しようとします。これが変形の原因です。

つまり、関節の変形は、「関節の機能を発揮するための関節適合性」を維持するために、生じているものということです。

関節は適合性が悪い状態で、使用されると痛みを発したり、力が入りにくいなどの状態を引き起こします。変形によって、適合性の問題が改善されると、これらの症状はなくなります。つまり、関節は完全に変形してしまえば痛みを発さないということです。その代償として、可動域の制限が生じるのです。

以上のように、関節が変形を起こすには意味があります。この意味を考えずに治療を行うと、逆に身体を壊すきっかけを与えることになりかねませんので、注意してください。