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階段昇降時の膝痛は、患者さんが訴える症状のなかでもとても多い訴えです。階段動作は平地を歩くよりも膝への負担が大きく、最後まで残りやすい痛みです。

今回は、階段昇降時痛の原因について解説します。

昇段時の痛みか、降段時の痛みか?

まず、考えないといけないのは「昇るとき」に痛いのか「降りるとき」に痛いのかということです。これにより、疼痛の原因部位が絞り込めます。

この2つの違いは、筋収縮と回旋ストレスにあります。

昇段動作

昇段動作で必要な筋は、「大腿四頭筋」「大臀筋」など伸筋群が主です。そして、収縮形態は求心性収縮が主です。始めに体重を乗せるときは遠心性ですが、その後の動作は全て求心性になります。また、荷重した状態で必要な股関節、膝関節の屈曲角度も大きく無いため、膝関節への回旋ストレスはあまりかかりません。

降段動作(支持側)

降段動作で必要な筋もほとんど同様です。しかし、収縮形態は主に遠心性収縮になります。ここが1つ大きな違いです。求心性収縮と遠心性収縮ではかかる負担が異なります。前者は、自分の体重分を支える力しか必要ありません。一方、後者は支えながら、制動する必要があります。

また、荷重した状態で必要な関節の動きも異なります。股関節は伸展動作が求められ、膝関節は昇段時より、深い屈曲角度が求められます。荷重した状態で膝関節を屈曲すると、足関節形態の影響で外反・外旋ストレスが加わります。

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以上のことから、階段降段時は昇降時と比較し、「強い筋収縮が必要である」「外反・外旋ストレスが加わりやすい」といえます。

膝蓋大腿関節痛と脛骨大腿関節痛

階段昇降時痛の痛みの多くは「膝蓋大腿関節」「脛骨大腿関節」の痛みです。膝蓋大腿関節の痛みは関節面の「圧縮ストレス」、脛骨大腿関節は関節面の「剪断(回旋)ストレス」により疼痛が誘発されます。

膝蓋大腿関節への圧縮ストレスは、膝蓋骨の前面に位置する大腿四頭筋の過緊張により生じます。そのため、階段昇降時においは「昇段初期の遠心性収縮時」「降段時」に痛みが出現する可能性が高いです。

脛骨大腿関節は回旋ストレスにより、疼痛が生じます。つまり、「後段時」に痛みが出現する可能性が高いです。

問診からは、以上のようなことが聴取できます。

評価方法

膝蓋大腿関節と脛骨大腿関節の疼痛の区別は、「フォワードランジ」を使って行います。

まず、荷重時の膝関節の外反・外旋を制限しながら、屈曲角度を強めます。このとき、疼痛が増悪するようなら「膝蓋大腿関節」に由来した疼痛があると考えることができます。一方、ランジの姿勢から膝関節の屈曲角度を維持し、外反・外旋と内反・内旋ストレスを強めます。ことのき、疼痛が増悪するようなら「脛骨大腿関節」に由来した疼痛があると考えます。

以上のように、問診から予測し、実際にストレスを加えることにより評価します。また、この次は、「なぜそのようなストレスが加わっているのか」を考えていく事が大切です。