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怒りや悲しみなどのストレスが強いとき、不眠、頭痛などの身体症状が出ることは納得できるかと思います。西洋医学では、感情と身体の関係性ははっきりわかっておらず、感情が自律神経系を介して身体に作用するというくらいの認識かと思います。最近では、精神神経免疫学など、精神的な問題と身体機能との問題を関連付けて考える分野が発展してきています。

このような中で、中国医学をはじめとする東洋医学では、以前から感情と身体機能を関連付けて考えてきました。

今回は、この感情と身体との関係について、東洋医学的視点を交えながら解説します。

東洋医学

東洋医学というと、「根拠がない」「ただの観察からの経験論」などの批判があります。しかし、自然科学も元を考えてみると、多くは観察というものから始まります。そして、そこから疑問、仮設が生まれ、実験によりそれを検証します。

東洋医学の理論は、現代科学では否定できていません。否定できないということは、その可能性を捨ててはいけないということです。

このような理由からも、私は東洋医学の知識を学びました。そして、実際、難渋していた症例などが、その知識を使うことにより改善したケースもあります。

五臓六腑

東洋医学では、五臓六腑という考え方を使います。これは肝、心、脾、肺、腎、(心包)の五臓と胆、小腸、大腸、膀胱、三焦の六腑のことを指します。これらは、相互に関連しており、それぞれに対応する経絡、ツボがあります。

経絡とは、この五臓六腑にエネルギーを供給する経路と考えられており、ツボはその経絡上のポイントとされています。この経絡に問題が生じると、その対応する五臓六腑に影響し、さらにそのポイントであるツボにも反応がでると考えられています。

そして、兪穴とよばれる背部のツボがあり、ここは内臓の解剖学的部位を表し、その対応する臓腑の病変の診断、治療にも使われます。

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以下にその兪穴の部位を示します。

兪穴(臓器) 脊柱の部位
第3胸椎
心臓 第5胸椎
肝臓 第9胸椎
第12胸椎
腎臓 第2腰椎
大腸 第4腰椎
小腸 仙骨外側(第2仙椎あたり)

臓腑と感情の関係

東洋医学では、五臓に対応する感情があるとされています。これは、その感情が強くなりすぎると、その臓にも影響し、さらに臓に問題があるとその感情にも影響するとされています。

以下にその関係性についてまとめます。

五臓 対応する感情
怒り
喜び
悲しみ
思い、悩み
驚き

以上のように、東洋医学の考えでは、五臓は感情と関係し、五臓の不調は脊柱周囲に現れるということがいえます。これは西洋医学でも同じようなことがいわれており、内臓に不調があるとその支配分節レベルの脊柱起立筋に反射性の緊張が生じるとされています。これを内臓体性反射といいます。

脊柱、特に胸椎は交感神経節が位置しており、自律神経系の影響を受けやすい部位です。そして、睡眠障害や内臓の不調などは自律神経系を介して脊柱に情報を伝えます。これと同じように、感情も脊柱に情報が伝えられ、反応として現れる可能性は十分に考えられると思います。

あなたの患者さんで、脊柱のある部位に問題があり、その原因がわからない人がいるなら、この感情の影響も一度検討してみてください。