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頭部には、目、耳、鼻などの特殊感覚器があります。その感覚器官の機能を果たすため、頭部を支えている頚椎は大きく動くような関節構造となっています。また頚椎には鈎状突起や横突起など、脊椎の他の部位にはない特徴が多くあります。

そして、頚椎は脊柱の一番上にあり、全ての脊柱に影響を与えています。そのため、理学療法士をはじめとしたセラピストは、頚椎の解剖について詳しく学ぶ必要があります。

そこで今回は、頚椎の解剖について述べます。

頚椎椎間関節

頚椎の椎間関節は、各高さによって関節面の傾きが異なります。具体的には、上位頚椎では水平面に対して35°、中位は45°、下位は65°後上方に傾いています。このように頚椎の傾きは下方にいくほど大きくなり、C7では垂直に近くなります。

この構造から、脊椎の椎間関節を動かすときは、大まかですが「目の方向」に関節面が向いていると考えることができます。もちろん人それぞれで特徴があるため、実際に動かした時の感覚を大切にする必要があります。

頚椎における椎間関節の関節面は硝子軟骨で覆われており、関節は感覚神経が豊富な線維性の関節包によって包まれます。そして、椎間関節の中には脂肪体、線維性脂肪性の半月板、関節包縁が含まれています。脂肪体と半月板は関節の隙間を埋め、運動時における関節適合性の維持に役立っています。

関節包縁も同様に、関節軟骨の端っこの隙間を埋める役割をし、関節適合性の維持という機能を担っています。

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頚椎鈎状突起、横突起

頚椎の特徴的な構造として、鈎状突起と横突起が挙げられます。鈎状突起とは、隣接する椎体のうち下位椎体の上面で頭側に突き出た突縁のことを指し、上位椎体の下面で凸状になった面とで鈎椎関節を形成します。

鉤状関節の形状は鞍関節であり、安定性を保ちつつ屈曲伸展の動きを制限しないという特徴があります。またその構造から、あらゆる方向の並進運動や、過度の側屈の制限となります。そして、回旋運動に関しては、制御機構として働きます。

また、C1~6の頚椎の横突起には、椎骨動脈が通っています。そして、既に述べた鈎椎関節によって、過度な側屈が制限されることで、椎骨動脈の捻れが防止されています。

頚椎の静的安定機構

頚椎は大きな可動性を持っているがゆえに、多くの靭帯によって静的安定性が保たれています

前方には前縦靱帯しかありませんが、前縦靱帯は約650Nの引っ張り張力に耐えることができる程の強度があります。また前縦靱帯は、腰部交感神経幹の灰白交通枝からの感覚神経支配を受けているため、損傷すると疼痛の原因になります。

一方で後方は、後縦靱帯や黄色靱帯、項靭帯、棘上靭帯と多くの靱帯によって補強されています。そして、これらが共同して頚椎の過屈曲の運動を制動しています。

以上のように、頚椎は可動性が要求されるがゆえに、鈎椎関節など他の脊柱と異なった構造を持つことで、その運動が制御されています。そして、それらの構造を理解して治療を行うと、治療効果も変わってくるはずです。