スポンサーリンク

理学療法を行うにあたって、血管系の知識をもっていることは必須です。炎症期は静脈とリンパ系の機能、慢性期では動静脈とリンパ系の働きが正常であることが、治癒反応を促進することになります。

そのため、血管系の解剖を知り、炎症反応に合わせてアプローチを変えることは、とても有効です。実際に、炎症期に行う理学療法は、血管系に対するものがほとんどになります。

そこで今回は、肩関節の血管系について解説します。

動脈系

肩関節は、主に鎖骨下動脈からの続きである、腋窩動脈から分岐される血管系によって栄養されます。腋窩動脈は小胸筋の後方を通過し、その通過前(第一部)、通過部位(第二部)、通過後(第三部)の3つの部分に分けられます。

第一部からは最上胸動脈、第二部からは胸肩峰動脈と外側胸動脈、第三部からは肩甲下動脈、前上腕回旋動脈、後上腕関節動脈が分岐します。

また、肩峰は胸肩峰動脈、骨頭とその周囲組織は前上腕回旋動脈によって、外科頚の周囲筋と肩関節は後上腕回旋動脈から栄養されます。

つまり、これらの動脈に何らかの問題が生じると、肩関節の栄養が障害されるということです。

スポンサーリンク

鎖骨下動脈は、鎖骨、第一肋骨、斜角筋によって圧迫されることがあります。そして胸肩峰動脈は、小胸筋、鎖骨胸筋筋膜、三角筋、前上腕回旋動脈は広背筋、烏口腕筋、上腕二頭筋によって、後上腕回旋動脈は小円筋、烏口腕筋、上腕二頭筋から障害される可能性があります。

そのため、以上の構造に何かしらの問題が生じると、栄養血管が圧迫されることで肩関節の栄養機能が障害される可能性が出てくるということです。

静脈系

静脈系では、腋窩静脈が主に関係します。腋窩静脈は、尺側皮静脈の続きとして大円筋下縁から始まります。腋窩内では腋窩動脈の前内側を走り、第一肋骨をところで鎖骨下静脈に名前を変えます。基本的に、腋窩静脈の支流の静脈は腋窩動脈の枝に伴行します。

以上のことから、鎖骨下動脈、腋窩動脈に関連する身体構造を正常化することによって、肩関節の栄養、還流機能を高めることができるということがいえます。そして、それらの機能が高まるということは、治癒反応を促進するということになります。

このように考えると、理学療法士が炎症期から積極的に関わっていくことの重要性がわかるかと思います。