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打撲などの外傷後に筋内で出血が起こり、筋内血腫が生じることがあります。この筋内血腫は、その後にさまざまな悪影響を引き起こし、日常生活に支障をきたすようになります。筋内血腫は若年者であろうが高齢者であろうが発症します。
また、筋間血腫という状態もあり、これは筋内血腫に比べると比較的良性です。

今回は、この筋内血腫と筋間血腫について解説します。

筋内血腫

筋内血腫とは、筋鞘内の出血に起因し、血腫によって筋内圧が上昇します。この筋内圧の上昇が筋内血管の圧迫を引き起こし、一時的に出血を抑制します。しかし、この圧迫が過剰になると、急性コンパートメント症候群を引き起こし、逆に身体に悪影響を与えます。

コンパートメント症候群は微小循環の閉塞を引き起こし、阻血や血流の完全な遮断が起こります。そのため、神経や血管の圧迫によって四肢の機能が失われることがあります。このような状態では、圧迫された神経支配領域の異常感覚や筋力低下、圧迫された動脈より末梢の拍動の消失などが起こります。

この動脈の圧迫により、末梢組織への栄養障害が生じ、筋壊死および筋の結合組織への置換が起こります。そして、この新しい結合組織は拘縮を起こす可能性が高く、永久的な障害となります。

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筋間血腫

一方、筋間血腫は筋自体に加えて筋鞘の損傷も認められますが、血液が損傷部位のコンパートメントに溜まらず、筋群間や周囲の軟部組織にある空間に広がります。そのため、コンパートメント症候群を引き起こさず、浮腫は一時的であり予後は良好です。

筋内血腫とは筋内圧の上昇をモニターすることによって鑑別されます。損傷領域の持続的な再検査が必要で、診断を誤ると治癒過程が遅延し、筋内血腫で述べたような永久的な障害を残す可能性があります。

また臨床的には、腫脹の軽減や急な機能回復は筋間血腫を示唆し、逆に腫脹の増加や機能低下の持続は筋内血腫を示唆します。具体的には、受傷後72時間経過しても症状に改善が見られない場合は、筋内血腫を疑います。一方、損傷部位から離れた部位に斑状出血が認められる場合は、血腫は筋間にあることが疑われます。

以上のように、筋内血腫と筋間血腫は、字は一文字しか変わらず、その病態も似ていますが、症状と予後は全く異なります。疑わしい場合はドクターに報告し、適切に鑑別を行い治療していくことが重要になります。