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理学療法の臨床で、血液疾患の症状は、NSAIDsの使用、悪性貧血に伴う神経学的合併症、化学療法や放射線療法の合併症に関連してみられることが多いです。

血液学的疾患の症状には、筋力低下や頭痛、めまいなど、理学療法士がよく遭遇する症状も多くあります。

そこで今回は、血液疾患の特徴について述べます。

赤血球疾患

赤血球には、酸-塩基平衡を維持するという重要な役割があります。赤血球疾患には、貧血、多血症、変形赤血球症、赤血球不同症、血色素減少が挙げられます。今回は、理学療法士としてよく遭遇する貧血について解説します。

貧血は、赤血球の量的、質的異常による血液酸素運搬能力の低下です。理学療法士が遭遇する貧血の原因は(1)NSAIDs使用による2次的な慢性の消化管出血に伴う鉄欠乏(2)関節リウマチ、全身性エリテマトーデスのような慢性疾患や炎症疾患(3)神経学的状態(悪性貧血)(4)結核、AIDSのような感染性疾患、腫瘍性疾患、癌、腫瘍に伴う貧血の4つがあります。

貧血の臨床徴候としては、若者は耐容性があるため、ヘマトクリット値が正常の1/2以下になってはじめて症状が出現します。

貧血がみられる人では、安静時の心拍出量は正常ですが、労作時の心拍出量が増加します。重度になるにつれて、安静時の心拍出量も増え、運動耐久性が徐々に低下し、安静時にも呼吸困難、頻脈、動悸がみられるようになります。

以下貧血の臨床徴候と症状をまとめます。

・皮膚蒼白
疲労、倦怠感、筋力低下
・動悸を伴う疲労性呼吸困難および頻脈
・拡張期血圧の低下
・中枢神経症状
(頭痛、嗜眠傾向、めまい、失神、思考過程の遅延、無気力、うつ、多発性ニューロパシ-)

白血球疾患

白血球は抗体を産生し、抗原と反応し免疫反応を開始して感染と戦うという役割があります。白血球には増加と減少の病態があり、急性の感染や慢性の全身性障害の結果として、白血球の変化を呈します。

白血球増加症

白血球の増加は、妊娠、細菌感染、虫垂炎、白血病、尿毒症、潰瘍、溶血性疾患の新生児や正常の生下時に生じます。症状としては、発熱や局所や全身の感染症状、炎症や組織外傷の症状が、上記の疾患の症状と伴って出現します。

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白血球減少症

白血球の減少は、抗癌剤化学療法や放射線治療後、激しい感染症、栄養不足、自己免疫疾患のような骨髄不全により生じます。症状としては、咽頭痛、咳、高度の発熱、悪寒、発汗、粘膜の潰瘍、頻尿、放尿痛、持続性の感染があります。

血小板疾患

血小板は、主として止血および毛細血管の機能維持の働きがあります。つまり、血小板の異常が生じると、出血や血管の損傷遅延が生じます。血小板の異常には、血小板増加症と、減少症があります。

血小板増加症

血小板の増加は、重度の出血、手術、脾臓摘出術後の代償メカニズム、潜在性の腫瘍の症状として生じます。
血小板が100万/㎣を超えるまでは無症候性で、それ以上になると症状が出現します。症状としては血栓症、巨脾症、斑状出血などがあります。

血小板減少症

血小板の減少は、放射線治療に起因する骨髄不全、白血病、転移性癌、薬物誘因性血小板減少(金やNSAIDsなど)により生じます。症状は100,000/㎣以下で出現し、出血傾向(点状出血、斑状出血、紫斑、鼻出血)、月経過多、歯肉出血、下血が生じます。

 ・凝固性疾患
血漿-凝固タンパクの異常による遺伝性血液疾患として血友病があります。血友病は、関節痛や筋肉痛など、運動器系異常と類似の症状が出現するため、注意が必要です。代表的な症状として、関節腔内出血、筋内出血があります。筋内出血は関節内出血より大規模になり、腸腰筋、腓腹筋、前腕屈筋郡に生じることが多い。

以下にその2つの特徴を示します。

関節内出血 筋内出血
・しびれ、チクチクするような感じ
・安楽肢位でのこわばり
・可動域制限
・疼痛
・浮腫
・熱感
・徐々に増強する痛み
・筋の防御性収縮
・周囲の関節の可動域制限
・感覚脱出

以上のように、血液学的疾患の症状は運動器系異常の症状と類似しているため、注意が必要です。特に、貧血は初期症状として、筋力低下、疲労、呼吸困難があり、見逃さないようにしなければなりません。