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理学療法士にとって、筋膜はよく関わる身体組織の一つです。この筋膜にはさまざまな機能があり、その役割を把握しておくことは、理学療法士として必須になります。役割を理解していると、症状の解釈、治療にも広がりができ、さらに治療効果にも大きく影響してきます。

今回は、この筋膜の機能について述べます

組織の支持

筋膜は、全身をつないでいます。実は名前が違うだけで、骨膜、靱帯、内臓周囲膜、血管周囲膜、神経周囲膜、硬膜は全て筋膜と同じ構造です。そして、これらは全身で繋がっています。筋、内臓、骨などを包み込み、その組織を支持する役割があります。

これらの組織を全て取り除いても、筋膜で体の形は残るといわれています。そのため、筋膜は「第二の骨格」と呼ばれます。

衝撃吸収機能

上記のように、筋膜は全身でつながっています。そして、そのつながりは、身体全体で「テンセグリティ構造」を作ります。テンセグリティ構造とは、バックミンスタ-・フラーにより提唱された概念です。Tension(緊張)とIntegrity(統合)の造語で、以下のような特徴をもったものになります。

・外からの支持がなくても自立保持することができる。
・この構造において張力と圧縮力が絶妙のバランスを保っている。
・中心がどこにもなくかつ全ての棒が交わらない構造を作ることができる

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身体においては、骨が圧縮力を、筋膜が張力を作るものであり、この二つが絶妙なバランスをとっています

もし身体において、筋膜の張力要素がなかったら、一番下にある足に負担が集中します。しかし、この筋膜の張力要素が加わることにより、体にかかる負担が分散します。この構造は、体に力学的エネルギーが加わった場合に、その力は構造を揺らす波となって消えていきます。つまり、体への衝撃を吸収する機能があるという事です。

このように、筋膜があることにより、衝撃吸収が行われ、体の一ヵ所に負担が集中することが避けられるということです。

振動エネルギー伝達機能

上記の役割と別に、筋膜は全身でつながることにより、情報の伝達を行っているといわれています。基本的に、物理的な力は振動エネルギーとして伝えられます。この振動エネルギーを伝えるのが、筋膜になります。

実は、人間の意識など、脳や心臓の電気的な信号も振動エネルギーとして伝わります。つまり、意識は筋膜を通して全身に伝わるということです。そして、この振動エネルギーは理学療法士の手から患者さんの体に伝わります。

これが、筋膜の役割を意識していると、治療効果が上がる理由になります。

以上のように筋膜にはさまざまな役割があります。すでに筋膜に対して介入している人は、このような知識が入ることでさらに治療効果が上がるはずです。