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トリガーポイントという言葉は、聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。そして、トリガーポイントといえば、「筋硬結」というものを頭に浮かべる人は多いと思います。

しかし、現在では、「トリガーポイント=過敏化した侵害受容器」という機能学的分類となっており、これは筋膜だけではなく、腱、靱帯、骨膜などさまざまな部位に発生します。

筋膜とは

筋膜という言葉は、通常2つの意味で使用されます。

1つは、狭義の筋膜で、いわゆる「Myofascia」です。これは、筋を覆うもので、皮下組織層にある浅筋膜とその下にある深筋膜に分類されます。深筋膜はさらに、筋を覆う筋外膜、筋束を覆う筋周膜、筋線維を覆う筋内膜に分けられます

理学療法士は、筋膜というと、この狭義の筋膜を想像する人が多いのではないでしょうか。

一方、広義の筋膜とは、「Fascia」のことを指します。これは、線維性結合組織の総称で、筋を覆うものだけでなく、その配列構造と密度の違いから髄膜、胸腹膜や脂肪織、筋膜、靱帯,腱なども含まれます

筋膜性疼痛症候群とは、このFasciaの中でも筋膜に注目したものになります。

最近では、この筋膜の異常を、エコーを用いて診断し、治療されています。異常なFasciaは正常なものと比較して、高エコーの線として描出されます。そして、これらは3次元的なものであり、圧痛点というよりは、線や面としてイメージされます。

治療部位の決定方法

まず、問診から罹患筋を推定します。そして、動作時痛などの自発痛を中心とした理学的検査により、「どのような動作で疼痛が増悪するか」を確認します。次に、一番強い圧痛点を探しだします。ここでは、硬結の触診にこだわらず、一番強い圧痛点を探します。

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また、エコーがある場合は、エコーを用いて、高エコーの信号が出ているかの確認を行います。こようにして、治療部位を決定します。

最後に忘れてはいけないのが、治療的診断です。これは、徒手療法であれ、注射であれ、実際の治療を行い、効果判定を行うことです。これにより、最終的に治療部位が決定されます。どのような理論があっても、その臨床で起きていることが事実であり、治療を行った結果が全てです。

この治療的診断は、理学療法士にとってとても重要なものです。患者さんの訴えはもちろんですが、自分自身の中で「今行っている治療で、どのような反応が期待されるのか」「実際行ってみて、その反応はどうか」という基準をもつことが大切です。

なぜならば、もちろん、治療の最終的な目的は患者さんの主訴の消失であることが多いです、しかし、治療の目的が、患者さんの主訴の消失に直結しない場合もあるため、自分自身での効果判定基準を持っておき、その治療が適切か否かを判断しなければならないからです。

この治療的診断に、生理食塩水注射によるリリースが使用されます。この方法は、局所麻酔と違い合併症もなく、神経への影響も最小限という安全性もあり、かつ治療直後に痛みが約80%程度軽減するという報告もされています。

そして、治療効果も1週間持続する例が多く、とても安全かつ効果的な治療として注目されています。

以上のように、筋膜上に生じた異常は、最近では生理食塩水注射によっても治療されます。しかし、臨床の現場では、どこでもエコーがあり、生理食塩水注射を行ってくれる医者がいるわけではありません。

理学療法士としては、この異常を徒手的に探し出し、徒手的に治療する技術を身につける必要があります