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理学療法の世界では「アナトミートレイン」の影響もあり、全身のつながりが重視されています。解剖書にも筋連結などの言葉が使われており、全身のつながりを大事にしています。

そのような内容の多くは、筋連結という言葉が使われていますが、実際の体は筋膜でつながっています。

そして、アナトミートレインに載っているような連結のラインもあるとは思います。しかし、特にアナトミートレインに載っているようなラインを覚えておかなくても、一般的な解剖の知識で、全身の筋膜のつながりは説明できます。

今回は筋膜の全身のつながりについて、一部ではありますが述べたいと思います。

頭部から頚部へのつながり

顔面の前面から後面にかけては、頭皮により、眼窩上縁から後頭骨上項線までがつながっています。後頭骨上項線には頚部筋膜浅葉が付着しており、頚部に続きます。

頚部から上肢、体幹へのつながり

頚部は3層の筋膜構造になっています。それは、浅葉、気管前葉、椎前葉の3つです。浅葉は一番浅層にあり、僧帽筋、胸鎖乳突筋を包み込みます。そして、気管前葉は甲状腺や気管支を、椎前葉は椎前筋を包みこみます。

頚部から上肢にかけては、浅葉が肩甲棘、肩峰部で三角筋膜と、鎖骨、胸骨部では胸筋筋膜とつながります。また、頚筋膜浅葉はC7横突起、第一肋骨に付着し、ここから胸膜上膜を介して、頚部胸膜、縦隔胸膜、横隔胸膜、横隔膜へと続きます。

そして、頚部から体幹にかけては、気管前葉が大動脈弓部で線維性心膜とつながり、線維性心膜は心横隔靱帯を介し、横隔膜に続きます。また、気管前葉は肺門部で縦隔胸膜と連結しています。

さらに、頚部筋膜は深層部で頸動脈鞘を形成します。

以上のように、頚部から上肢、体幹までは筋膜を介して連結しています。

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横隔膜から内臓、内臓同士のつながり

横隔膜は内臓と関係し、内臓同士も筋膜によってつながります。内臓同士がつながりることで、ほとんどの臓器が相互に影響を与えています。

全部ではありませんが、その関係性について以下に載せます。

横隔膜は胃横隔間膜、三角間膜・冠状間膜、横行結腸間膜、トライツ靱帯、横隔膜ひだを介し胃、肝臓、横行結腸、十二指腸、脾臓とつながっています。また、横隔膜は横筋筋膜により腹膜と連結しています

以下に内臓同士のつながりを示します。

肝臓 :肝鎌状間膜、肝胃間膜、肝十二指腸間膜、靱帯を介し前腹壁(臍)、胃、十二指腸、脾臓とつながります。

胃  :胃脾間膜、胃十二指腸間膜、肝胃間膜を介し脾臓、十二指腸、肝臓とつながります。

脾臓 :脾腎ひだ、胃脾間膜、靱帯を介し左腎臓、胃、肝臓とつながります。

左腎臓:横行結腸間膜を介し、横行結腸とつながります。

腹膜 :虫垂間膜、S状結腸間膜、腸間膜を介し、虫垂、S状結腸、上位腰椎・回盲部とつながります。

以上のように、横隔膜は内臓とつながり、内臓同士もお互いに連結しています。

体幹から骨盤、下肢へのつながり

横隔膜は腰筋筋膜を介し腸腰筋へつながり、腸腰筋は壁側骨盤筋膜に続きます。そして、壁側骨盤筋膜は梨状筋、尾骨筋、肛門挙筋膜、骨盤筋膜腱弓を介し、臓側骨盤筋膜と連結しています。

また、腰筋筋膜は鼠径靱帯を介し、大腿筋膜にもつながります。

全てではありませんが、以上のようにして全身は連結しています。このように、アナトミートレインのラインを覚えていなくても、基本的な解剖の知識で全身のつながりは説明できます。

そして、このつながりを意識するだけでも、治療効果は大きく変わってくるはずです。