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腰痛を持っている患者さんで、「朝起きたときに腰が痛い」と言われる患者さんは多いのではないでしょうか。このような患者さんの多くは、「動いていると良くなる」と言われます。

今回は、臨床の現場で遭遇する事の多い、「朝の腰痛」について考えます。

起きた姿勢で痛いのか、動きはじめが痛いのか

最初に考えないといけないのは、「動くと痛いのか」「動かなくても目が覚めたら痛いのか」のどちらかをはっきりさせることです。「痛みで目が覚める」「起きたらその姿勢で痛い」場合も区別が必要です。

痛みで目が覚める場合

このような場合は、がんやその他の内科疾患など「重篤な器質的な要因」があるか、「炎症」が考えられます。

起きたらその姿勢で痛い(動かなくても痛い)

このような場合は、痛みを誘発するような姿勢で寝ている、もしくは布団や枕などの寝具があっていない場合が考えられます。

例えば、腰を反ると痛い患者さんがいたとします。そのような場合、背臥位で股関節、膝関節伸展位でずっと寝ていると、持続的に伸展ストレスが加わり、疼痛増悪の要因となります。

動きはじめが痛い場合は、椎間板性の腰痛であることが多い

動きはじめが痛く、動いていると良くなるという患者さんは、椎間板性の腰痛の可能性が高いです。なぜ椎間伴性の腰痛は、朝の動き始めに痛みが出るのかを説明します。

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椎間板というものは、荷重ストレスがかかることにより、脱水状態になります。夕方なに伸張が縮んでいるのは、この椎間板の脱水に伴う現象です。そして椎間板は、荷重ストレスを取り除くと、水分を再吸収します。

椎間板に変性が認められ、さらに日中の椎間板への荷重ストレスが多くかかる場合、この水分の再吸収が過剰になってしまいます。過剰に水分を取り込んだ椎間板は、通常より膨らみます。その状態になると、椎間板の周囲につく靭帯なども伸びた状態になっており、動いた時に動きを制限するという本来の役割を果たしません。

つまり、椎間板は膨らむと安定性が低下するということです

その他にもよくある椎間板性の症状での特徴的な訴えを載せます

・ずっと座っていると痛い
・座った後、動き始める時に痛い
・床や低い椅子、柔らかい椅子に座っていると痛い
・車に乗っていると特に痛い
・くしゃみや咳などで痛い

また、椎間板の変性による疼痛は動作時痛が認められない事が多いです。しかし、椎間板に損傷がある場合は、前屈時痛が認められます。

「朝起きた時痛い」という訴えを聞いた時は、他に上記のような症状がないかを確認してください。椎間板の変性による疼痛だと、何個か当てはまる症状があると思います。ちなみに椎間板の変性による疼痛の対処法として、寝る前に「ファーラー肢位」を60分程度とると朝の腰痛が軽減される場合があります。

これは事前に、水分の再吸収を促しておき、夜間の急激な再吸収による膨張を防ぐ効果があるためと考えています。