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理学療法士が担当する患者さんの中には、降圧剤を服用している人は多いです。確かに高血圧は、脳卒中や心筋梗塞など、血管に関係する病気との関わりが強いです。降圧剤のおかげで、これらの病気を予防できている人もいるでしょう。

しかし、やはり薬は副作用があります。この降圧剤も多くの副作用があり、理学療法の臨床で遭遇する症状の原因が、この副作用であることも多いです。

今回はこの降圧剤について、基本的なことを解説します。

降圧剤の種類

現在使われている降圧剤は、主に6つあります。それは「カルシウム拮抗薬」「アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬」「ACE阻害薬」、「利尿薬」、「β遮断薬」、「α遮断薬」の6つです。

一つ目は、カルシウム拮抗薬であり、商品名としては「アダラート」「ノルバスク」「カルブロック」などがあります。これは、血管平滑筋へのカルシウムの流入を阻害し、血管収縮を起こさせないようにするものです。副作用としては、動悸、頭痛、浮腫み、ほてり感、歯肉増生、便秘などがあります。

二つ目は、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬です。これには「ディオバン」「ブロプレス」「オルメテック」などがあります。血圧を上げる作用のある、アンジオテンシンⅡの作用を阻害し、結果として血管収縮や体液貯留、交感神経活性の亢進を抑制し血圧上昇を抑えます。

副作用としては、高カリウム血症、味覚異常などがあります。しかし、この薬は副作用が少ない方です。

三つ目は、ACE阻害薬です。これには「コバシル」「アデカット」「プレラン」などがあります。これは、アンギオテンシンⅠからアンギオテンシンⅡに変換する際に必要な「アンギオテンシン変換酵素(ACE)」の作用を阻害し、アンギオテンシンⅡの産生を抑えることで血圧上昇を防ぎます。

副作用としては、空咳、低血圧などがあります。

四つ目は、利尿薬です。これには「オイテンシン」「ラシックス」「ダイアート」などがあります。文字通り、利尿を促すことにより、血圧上昇を抑えます。副作用としては、低カリウム血症があります。

低カリウム血症では、筋肉痛、筋力低下、痙攣、便秘、息切れ、めまい、立ち眩みなどが起こります。しかし、利尿薬の中でも商品名では「アルダクトンA」「トリテレン」として知られる、抗アルドステロン薬やカリウム保持利尿薬などには低カリウム血症は起こらないとされています。

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五つ目は、β遮断薬です。これには「メインテート」「アーチスト」「サンドノーム」などがあります。β受容体の働きを阻害する事で、交感神経系の興奮を抑制します。結果として、心臓の働きが弱くなり、血圧上昇を抑えます。

気管支喘息の人は禁忌であり、その他にも心機能低下、低血圧、消化器症状などの副作用があります。

そして最後がα遮断薬です。これには「ミニプレス」「デタントール」「カルデナリン」などがあります。α受容体の働きを阻害する事で、交感神経系の興奮を抑制します。結果として、血管の収縮を抑制し、血圧上昇を抑えます。
副作用としては、起立性低血圧によるめまい、動悸、失神などがあります。

降圧剤の影響

降圧剤はさまざまな影響を体に与えます。この中でも、個人的に、特に問題に感じているのは、低血圧や起立性低血圧です。

そもそも高齢になると、末梢血管が固くなるため、血圧がある程度高くないと末梢組織まで十分な血流が届きません。しかし、現在は、収縮時血圧が140位でもすぐに降圧剤が処方されます。そして、降圧剤の影響で逆に低血圧になっている人も少なくありません

このような状態になると、運動を行った際、交感神経系の反応が悪くなり、組織に必要な酸素が行きわたりません。特に、運動始めなどは著明です。また、持続的に運動を行っても、自覚的な疲労感は強いのに、心拍数が上がらないなどの状況が生じます。

さらに、末梢組織の血流が不足するということは、治癒遷延にもつながっている可能性があります

起立性低血圧は、そのような状態の代表例ですが、気づいていないだけで、実はその他にもさまざま症状につながっています。例えば、動作初めの疼痛や間欠性跛行様の症状、ふらつき、末梢の痺れなど、普段からよく遭遇するような症状の原因になっている可能性があります。

もちろん、理学療法士は薬の処方や変更はできません。しかし、症状の原因が薬にある場合は医者に相談する必要はあります。以上のように、薬には、理学療法士が普段遭遇するような副作用がある場合があります。そのため、理学療法士も薬の知識をもっていることは必須です。