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理学療法士にとって、薬に関する知識は学校で習うことはほとんどありません。そして、臨床に出ても、理学療法士向けの薬の勉強会などは多くありません。

しかし、臨床で対峙する患者さんのほとんどは何らかの薬を飲んでいます。そして、その薬のいわゆる副作用というものは、理学療法士が関わる症状に少なからず関係しています。そのため、理学療法士が薬に関する知識を有していることは必須です。

また、薬剤に関して大前提として「ほとんどの薬は病気を根底から改善するためのものではなく、症状を緩和させるためのもの」ということを頭に入れておく必要があります。

そこで今回は、「薬とは何か」ついて述べます。

薬として認められるまで

薬は、はじめから明確に何かの作用があるとして、すぐに医薬品として認められるものではありません。実際、薬になる可能性があるものから、市場に出るまでの確率は約30000分の1とされています(2012製薬協)。薬は、スクリーニング、前臨床試験、臨床試験といった段階を通過し、ようやく薬として認められます。

スクリーニングとは、ある物質が何らかの作用をもっているかを調べる段階、前臨床試験とは、その作用を動物に投与することで調べるもので、そこで認められたものが、人に投与して調べる臨床試験にかけられます。

多くの薬はこのどこかの段階で不合格の烙印を押されます。

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薬の条件

では実際に、どのようなものが薬として認められるのでしょうか。その条件は大きく4つになります。

・特定の組織部位に選択的に作用する性質をもつ
・比較的低い濃度で効果を発揮できるようが望ましい
・細胞に対して薬を使い効果があっても、修復できないような障害を与えるものではいけない
・代謝や排泄によってその薬剤が体外へ排泄されるものでなければならない

このような条件があって初めて薬として認められます。また、薬剤には毒性がつきものであり、効果と毒性との関係性も重要です。そのため、医薬品として認められるものは、実験によって効果と毒性の現れる間の量になります。そして、それは薬の血中濃度で置き換えて研究されています。

本来であれば、目的とする組織の中の薬の濃度を測定する方がより正確なのですが、人の体を使ってそのようなことは難しいです。そこで、その代わりとして血中濃度を測定することで、投与量の研究が行われています。

例えば、薬の血中濃度は同じ薬を同じ量与えたとしても、人によって異なります。これは人によって薬の吸収、分布、代謝、排泄の能力が違うからです。

つまり、その薬に対するそれぞれの人の体内動態がわかれば、必要な投与量は予測できます。

以上のように、薬はその効果と毒性のバランスがあって初めて有用なものとなります。患者さん自身もそのことを理解した上で、薬を飲むことが大切です。