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胸鎖乳突筋は頭蓋から鎖骨、胸骨に付着する筋で、表面からでもわかりやすい筋です。この筋は不良姿勢の人で緊張しており、よく問題点の一つとして挙げられます。しかし、この筋の緊張が、神経系にまで影響していることを知っている人は少ないように思えます。

そこで今回は、胸鎖乳突筋と神経系との関係について述べます。

胸鎖乳突筋の解剖

胸鎖乳突筋は頚部外側に位置し、2つに部分に分けられます。1つは胸骨に、他方は鎖骨に付着します。これらはさらに、それぞれ後頭骨と乳様突起からの2つの線維束で構成されます。

胸鎖乳突筋の収縮は、頭部の伸展、頸椎の同側側屈、対側回旋を起こします。そのため、胸鎖乳突筋の緊張は頭部の前方突出姿勢を作り出します。さらに神経支配としては、脳神経である副神経と頚神経叢の前枝からの支配を受けます。

頚神経叢の解剖

頚神経叢はC1~4頸神経の前枝から構成されます。この神経叢は、異なる分節間の吻合によるループ形成がその特徴です。これらの吻合には舌下神経や迷走神経、上頸神経節、中頸神経節が交通します

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この頚神経叢のうち、浅層部分が胸鎖乳突筋と関係します。

頚神経叢の浅層は、頸横神経、大耳介神経、小後頭神経、鎖骨上神経の4つからなります。これらは胸鎖乳突筋の深層を通り、その後縁から表層に出てきます。そのため、胸鎖乳突筋の過緊張はこれらの神経を圧迫する可能性があるということです。

頸横神経は側頭部および前頭部、大耳介神経は耳介後部および耳下腺付近、小後頭神経は後頭部、鎖骨上神経は鎖骨上下および肩へその皮枝を出します。そのため、胸鎖乳突筋によって頚神経叢が圧迫されると、肩や耳周囲、後頭部の痛みや異常感覚が起こる可能性があるということです。

あなたが担当している患者さんの肩の痛みや耳鳴は、胸鎖乳突筋が原因かもしれません。もちろん最終的には、なぜ胸鎖乳突筋が緊張しているのかを考えることが大切になります。