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胸部痛はあらゆる疾患に伴って出てくる症状です。胸椎痛はよく起こる症状なので、患者さんは他の症状と関連付けないことがあり、それらの症状を言わないこともあります。

胸椎は胸部、呼吸器組織に近いため、胸膜呼吸器症状に関連して出現します。また、腎臓、胆管、食道、胆のう、膵臓、心臓からの関連痛としても痛みが出る部位です。さらに、胸髄には交感神経節があるため、臓器に器質的な問題がなくても、「内蔵体性反射」により痛み、可動域制限が出やすい部位です。

今回は、胸椎に痛みを出現させる「器質的な問題」について書きます。

胸部に痛みを引き起こす疾患

胸部には、さまざまな疾患によって疼痛が引き起こされます。もちろん運動機能の問題でも起こりますが、器質的な影響も考慮しなければなりません。

胸椎は長く、縦隔に近いため「リンパ節」「乳がん」「肺癌」からの直接転移により拡大する。また、胸椎は脊髄の大きさと比較し、内径が小さいです。その理由から、脊髄を圧迫しやすく、急激な神経学的病変の悪化が生じる可能性があります

心臓病変

「胸部大動脈瘤」「狭心症」「心筋梗塞」は胸椎部に痛みを引き起こします。心臓病変は脈拍の変化、原因不明の発汗、蒼白のような随伴症状を伴います。

呼吸器病変

「呼吸器障害」「胸膜」「肋間」「筋」「硬膜」は呼吸運動により、疼痛を出現、増加させます。呼吸運動、咳により症状が変化する場合は心臓病変を除外できます。

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腎臓病変

腎臓病変に由来した症状は、Th12-L1周囲に出現します。この部位は、腎臓疾患のスクリーニングでも重要です。「マーフィーの打診点」といわれ、腎臓に問題がある場合、軽い打診で疼痛が再現されます

腎臓に由来した痛みは、通常、鈍い持続痛です。腸骨稜、鼠径部に関連痛が認められることもあり、発熱を伴う悪寒や頻尿、血尿、肩の痛みを訴えることもあります。

消化管病変

理学療法士が遭遇する、胸椎痛の原因で最も多いものではないかと思います。「食道炎」「消化性潰瘍」「急性胆のう炎」などの疾患で、胸椎痛を引き起こします。食道炎による関連痛は通常、上腹部痛と胸やけを伴います。

消化性潰瘍による関連痛は、Th6-10の中位胸背部に認められます。理学療法士としては、NSAIDsの長期使用によるものに注意する必要があります。血便や制酸剤による症状の軽減、症状と食事の関連性なども評価しなければなりません。

急性胆のう炎の症状は、右1/4上背部に急な強い発作性の疼痛として出現します。右肩や肩甲骨部に痛みが認められることもあり、発熱、悪寒、吐き気、消化不良、尿便の変化、黄疸などの症状に注意する必要があります。

以上のように、胸椎部にはさまざまな疾患から疼痛が引き起こされます。これを見分けるために大切なことは問診です。いかに、疾患に関連した症状を知っており、それらの症状と関連付けることができるかがポイントです。

しかし、まずは、このように「さまざまな疾患が胸椎痛を起こす可能性がある」ということを知っているだけでも原因発見の第一歩になると考えます。