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理学療法士の多くは、法人に雇われて給料をもらっている人がほとんどだと思います。その中で、満足できる給料をもらっている人はどのくらいいるでしょうか。

専門家は雇われ人としての自覚が低い

1つ質問です。あなたは自分が理学療法士としていくら売り上げているかを把握していますでしょうか。若い理学療法士は、自分がどのくらい組織に貢献しているかも把握していないのに「給料が安い」などと簡単に言う人が多くいます。

理学療法士に限らず、専門的知識をもっている人は、全てのことにおいて考えが甘い人が多いように感じます。雇われている専門家は、営業をしなくても患者さんは来院されますし、理学療法を実施すればほとんどの場合は感謝され、さらに毎月決まった給料がもらえます。

このような状況からも、考え方が甘くなるのはしょうがないのかもしれません。

しかし、組織の目的は収益を上げることにあります。そして、その収益にどのくらい貢献しているかで社員の給与を決めます。いくら理学療法士として専門性を上げても組織にとってはあまり関係ありません。

もちろん、その専門的知識を人材教育などに利用することは組織の利益につながります。また、病院外に名前が知れるほどのすご腕になって、病院に来られる患者さんが増えれば話は別です。

しかし、人材教育にそこまで力を入れている職場自体が多くありませんし、そのように利益につながるほど患者さんを呼べるほど有名な人も限られています。つまり、大半の理学療法士は、理学療法を行うことでしか売り上げに貢献できません。

理学療法士の具体的な売り上げ

そして、一般的には売り上げの約30%が人件費に当てられます。もちろんこの数値は、業界によって異なりますが、ここでは30%で話を進めます。

そして、この人件費は、役職者やその他の職業全てを含めた値ですので、単純には計算できません。しかし、純粋に給料を総支給で月に30万もらうということは、間接的な利益も含めて、組織の120万相当の利益に貢献していなければなりません。

これには、社会保険料を会社が半分払っているということも考慮する必要があります。

ここで大まかですが、例を挙げましょう。外来整形で22日勤務、平均一日20単位の仕事をしたとします。さらに担当者数は40名で計画書を月1回算定しています。

総売り上げ=1,800点×20単位×22日+3,000円(計画書)×40=912,000

これだけ働いて、やっと組織はこの人に、912,000×30%=273,600払う価値を持つということです。しかも、これは社会保険料を抜いた額であり、さらに役職者、他部署スタッフの影響を考慮していません。そのため、これくらいの仕事量なら、実質総支給で24万円あれば、仕事し多分は十分に貰っていることになります。

雇われ人が給料を上げる方法

では、結局どのようにすれば給料を上げることができるでしょうか。その方法は大きくわけて、直接的に売り上げを上げる」「間接的に売り上げを上げる」かの2つです

直接的に収益を上げる方法には、以下のようなものが例として挙げられます。

1日の患者数を増やす、単位数は変えずに担当者数を増やす(計画書分が増える)

例えば、運動療法のみなど、消炎鎮痛処置で最初以外は人手がかからない患者数を増やしたり、今まで2単位請求していた患者さんを1単位で回す(総患者数が増える)などの方法があります。

他に保険点数が取れるところを探す

計画書を算定していない、もしくは毎月算定していない場合、毎月算定するようなシステムを作ったり、重心動揺計などの短時間で保険点数が請求できるものを取り入れたりする方法があります

自由診療で保険診療以上に収益を上げる方法を見つける

スポーツ選手や事故後、産後の人などを自由診療で\6,000/h以上の単価で行ったり、勉強会の組織を作って勉強会を行ったりする方法があります。

これは一例ですが、考えれば方法は無数にあります。

また、これに伴い必要な能力がプレゼン能力です。いいアイデアを出しても、経営陣に伝わらず却下されれば全く意味をなしません。そのために、プレゼン能力を上げて、経営陣の心を動かせるようになることも大切です。

そして、二つ目の間接的に収益を上げる方法とは、主に経営に関与することです。これには、管理職になるということも含めます。つまり、経営者の仕事を代行し、経営者が他の仕事を行えるようにすることで、組織としての収益アップに関わります。

また、人材育成には思った以上にお金と時間がかかります。管理職として部下を効率的に育成することも全体の収益に貢献します。

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以上のように、理学療法士をはじめとする専門職は、一般人と比較して、雇ってもらっているという自覚が低いです。そのため、何の行動もせず、成果を出したわけでもないのに「給料が低い」などと愚痴をこぼします。

まずは、あなたが具体的にどのくらい組織に貢献しているかを把握し、今の給料は妥当かどうかを考えてください。それでも給料を上げたい場合は、あなたがどのように組織の収益アップに貢献できるかを考えて、経営陣にプレゼンし、実際に成果を出すようにしましょう。

組織にとっての収益とは

さらに、収益を上げるだけでなく、経費を削減することも、理学療法士が給料を上げるためには重要です。

基本的に組織にとっての利益は「粗利益」「営業利益」「経常利益」の3つに分けられます。また、これに臨時で発生する「特別利益」と退職金などの「特別損失」、法人税などを計算して最終的な「当期利益」になります。

粗利益

総売上から材料費を引いた数字のことであり、病院の中でも特にリハビリテーション科ではほとんど材料がかからないため、あまり考えなくてよい数字です。

営業利益

粗利益から人件費、光熱費、家賃、消耗品などを引いた数字のことです。

経常利益

営業利益に、「営業外利益」を加えたものから「営業外費用」を引いた数字になります。営業外利益とは、病院外で得た利益であり、営業外費用とはそれにかかった広告費などの費用のことを指します。この利益は、病院外の利益であり、自費などの病院外での活動で得ることができる利益になります。

理学療法士としては、この3つを考える必要があります。

利益を上げるためには経費の削減が必須

上記からもわかるように、利益を上げるためには、売上を上げるか経費を削減するかしかありません。売上を上げることは多くの人が着目しますが、とくに病院において、意外と忘れがちでバカにできないのが経費の削減になります。

経費の中でも、営業利益に関係してくる人件費、光熱費、消耗品は、明日からでも改善でき、大きく削ることができるものです。

まずは、人件費ついて考えます。

あなたの病院や施設で、物理療法や受付業務に、過剰に従業員を使っていませんか?今の人数は適当ですか?

もしかしたら、効率良いシステムを考えることにより、物理療法や受付業務にかかる人件費を減らすことができるかもしれません。また、改めて計算してみると、物理療法で得られる収益はそれにかけている人件費より大きくなっているかもしれません。

物理療法や受付業務における経費削減の具体的な方法としては

・受付業務や電話対応にデジタル対応を導入する
・物理療法機器の配置を考慮し、効率よく患者さんを回せるようにする
・取り付けに時間のかからない物理療法機器を導入する

挙げればキリがありませんが、以上のような方法があります。

また、根本的に理学療法士の数は適正でしょうか?明確な仕事率の数値を出し、もし過剰であり、今後も患者さんの数がこれ以上増えることがないようでしたら、人員削減も検討しなければなりません。

人員削減をしないにしても、週にPT1人の1日分くらいの枠が空いているのなら、病院の外の活動に出して営業外利益を生み出すというのも一つの手段です。

次に光熱費です。これは病院経営では本当に馬鹿に出来ません。クリニックレベルでも、電気代で月に15~20万、年間200万前後、水道代で月約2万、年間30万前後かかるのが普通です。

つまり、光熱費だけで年間200万は下らないということです。

朝からパソコンや空調をつけるときに、一気に起動させていませんか?もしかして、休憩中などに空調をこまめに切っていませんか?

機械類は起動時に一番お金がかかります。さまざまな機器の起動の時間をズラすことで、そのときの消費電力を抑えることができますし、エアコンはその部屋にいない時間が3時間以内なら、つけっぱなしにしておいた方が電気代は下がります。

以上のようなちょっとした工夫を行うだけで、年間数十万~数百万円の経費削減が可能になります。今回の内容はほんの一例ですが、組織の収益を上げるためには、このように経費削減という考え方が必要です。そして、あなたの給料も組織からすると経費の一部ということを自覚してください。

つまり、給料を上げたいのであれば、給料以外の経費を削減し、削減した一部を給与として上げてもらうように交渉すれば良いということです。

もしかしたら、あなたが自分には関係ないと思って無駄に使っているものが、あなたの給料が上がらない原因になっているかもしれません。