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内側側副靱帯は、膝関節の安定性を保っている構造の一つです。一見単純そうな構造をしている内側側副靱帯も,、学んでみると実は複雑な構造をしています。そして、その構造を知ることによって評価内容も変わります。

そこで今回は、内側側副靱帯の解剖について解説します。

膝関節の内側安定性機構

内側側副靱帯は膝関節内側の静的安定機構に関わります。それは強靭で平坦であり、大腿骨内側顆と脛骨の間を前下方に走行します。そして、浅層である脛骨側腹靱帯と、後内側関節包と内側半月板の表面に付着する深層部の2層構造になっています。

MCL浅層と深層部の半月大腿骨部および半月脛骨部によって、静的安定性が保たれます。一方、動的安定性は半膜様筋腱の停止と鵞足によって維持されます。

これらの安定性機構は、主に3層構造になっています。

第1層は最も浅層で、内側広筋、MCL、および縫工筋腱によって構成されます。これらは筋膜によって大腿、下腿、膝関節の後面とつながっています。

第2層は三角形のMCL浅層を含み、その浅層は前縦走繊維と後斜走繊維から構成されます。前縦走繊維は内転筋結節と大腿骨内側顆から起始し、徐々に細くなりながら鵞足の後方かつ深層部に付着します。後斜走繊維は、MCL深層部の後内側部において関節の上下部分を覆います。そして、後内側関節包または後斜靱帯として知られる大腿骨顆帽を作ります。

そして第3層は、内側半月に付着するMCL深層部と膝関節の後方関節包の繊維から構成されます。MCLの深層部は、先ほど述べたように半月大腿靱帯と半月脛骨靱帯の2つの繊維から構成され、後斜表層繊維とともに後方関節包を形成します。

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このような構造から、内側側副靱帯は屈曲30~40°での膝関節外反ストレスへの主要な制限となります

内側側副靱帯損傷

過度の外反力が加わると、MCLが損傷する可能性があります。遅い負荷がかかると、人体で最も弱い結合の剥離損傷が、骨の靱帯付着部で起こります。そのため、多くは大腿骨側で起こり、続いて脛骨側、関節線の順で損傷が起こりやすくなっています。そしてより大きな外反力は MCL深層部の捻挫をとなります。

場合によっては、半月脛骨靭帯は脛骨付着部とともに遠位付着部で引き裂かれます。それに伴うレントゲン所見は「側方関節包徴候」として知られ、ACLの損傷も伴っている可能性が高いので重要です。このMCLとACLに加えて内側半月板の損傷を伴う場合は、「不幸の三徴」といわれています。

また、さらに強い外反力が加わった場合は、後十字靱帯の損傷も伴う場合もあり、内外側の不安定性と同時に前後方向の不安定性も生じます。

損傷した靭帯は、通常の靱帯と同様の炎症過程で修復します。しかし、完全なMCL損傷の1年後に、その抗張力は元の2/3程度にしか戻らないとされています。

以上のように、MCLはその複雑な構造によって膝関節の内側の安定性に関与しています。この構造を知ることによって、周囲組織との関係性や各部位の靱帯損傷を起こしやすい動きが予測できるようになります。