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人の体には、サーカディアンリズムという生体リズムが備わっています。この生体リズムは地球環境に適応するために獲得されたもので、動物だけではなく植物など地球上の生き物すべてに備わっています。

そしてこのリズムは、脳内と各組織にある体内時計によって調整されます。また、体内時計は自律神経系を調整することによって、体のリズムを整えます。そのため、体内時計の乱れは自律神経系の乱れにつながります。

このような理由から、生体リズムにそった生活を行うことは、自律神経系に負担をかけないために必須です。

今回は、サーカディアンリズムと食事の関係について述べます。

自律神経系をまとめる体内時計

体内時計には大脳視床の視交叉上核にある主時計と、からだのほとんどすべての細胞にある末梢時計に分けられます。この主時計の指示によって、全身の末梢時計は同調したリズムを刻みます。そして、この主時計の指示を末梢時計に伝えるのが自律神経系になります。

自律神経系は無意識に働いています。実は、その働きを調整しているのが体内時計ということです。体内時計は、朝・昼・夜のリズムに合わせて、自律神経活動の強度を増幅・減弱しつつ、適切に調整しています。

例えば、グレープフルーツの香りは交感神経系を活性化させ、ラベンダーの香りは副交感神経系を活性化させます。このように、からだへの刺激は、自律神経活動に影響します。

脳の体内時計を壊すことで、このような現象が消失することがわかっています。つまり、体内時計には生体リズムとともに、自律神経系を調整する役割があるということです

体内時計と自律神経系の連絡路

体内外の環境の変化はいくつかの経路によって、脳の体内時計に伝えられます。その中でも迷走神経は中心的な役割をしています。

迷走神経は多くの内臓領域に連絡網をめぐらしており、末梢からの情報をこまめに集めます。そしてこの神経は、インターロイキン1という名のサイトカインと免疫-神経応答することによって、末梢からの情報を受け取り、脳に伝えます。そして、その情報が脳内の体内時計に伝わるという流れになります。

脳内にある体内時計の主時計は、体内外の情報を統合し、時刻にあった情報量を決定します。そしてその情報に基づき、自律神経系を介して末梢組織の活動を調整しているということです。

つまり、自律神経系は末梢組織、末梢時計と主時計の連絡路になっているということです。主時計に情報を伝えるのも、主時計から末梢組織に情報を伝えるのも自律神経系の役割です。

以上のように、体内時計と自律神経系は深く関係しています。先程も述べたように、体内時計が壊れると自律神経系の反応もなくなります。すなわち、体内時計の崩れは自律神経の乱れにつながるということです。

このような理由から、自律神経系に負担をかけないようにするためには、体内時計に即した生活リズムを行うことが大切になります。

朝は排出、昼は摂取、夜は同化の時間

「ナチュラルハイジーン」の考え方によると、内臓のサーカディアンリズムを考慮すると、午前は排出、午後は摂取、夜間は同化の時間とされています。この根拠ははっきりしていませんが、消化液分泌と排便周期、そして代謝のリズムが関係していることが考えられます。

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唾液分泌と排便周期には、それぞれサーカディアンリズムがあります。前者は15時に、後者は9時にピークを迎えます。また代謝に関しては、日中に最大となり、夜間に最小となります。このリズムが上記の根拠になっているのではないでしょうか。

これらのことから、ナチュラルハイジーンの考えでは、朝食は消化に負担のかからない果物の摂取が推奨されています。果物はそれ自体に酵素が多く含まれているため、消化時に体内の消化酵素の消費を抑えることがその理由です。

以上のような理由から、朝食に果物や生野菜などを摂取することを推奨しています。

朝食は生体リズムを整える

また、生体リズムの別の視点から朝食を考えます。生体リズムは基本的には環境に影響されないものになっています。しかし、もともとそのリズム自体が、約24時間という地球環境のリズムから少しずれたものになっています。

そのため、そのリズムは外的要因によって毎日調整されます。その調整に大きく関わっているのが、食事、日光、運動の3つになります。

基本的には、朝起きて日光を浴び朝食をとることによって生体リズムはリセットされます。さらに朝食は、副腎皮質ホルモンの分泌リズムの形成やミトコンドリアの遺伝子発現にも関わっていることがわかっています。

このような理由から、朝食の重要性が説明されます。

自律神経の特性から食事を考える

内臓の働きは、副交感神経系によって活性化されます。つまり食事中、食後はリラックスすることによって消化、吸収が適切に行われます。

特に胃内での消化は重要で、食物が胃を通過するまではゆっくりしておいた方が体への負担が減ります。食後に交感神経系を活性化させ、胃での消化が十分でない状態で食物が腸内に移動すると、消化不良を引き起こします

個人差はあるものの、一般的に胃内提滞時間として果物は30分、野菜は2時間、炭水化物は2~4時間、タンパク質、脂質はそれ以上といわれています。

つまり、食後約2時間はゆっくりしておいた方が、内臓のためには良いということです。

しかし、現代社会で昼食後に2時間以上も休憩を取れるところはほとんどありません。そして仕事は交感神経系を活性化させます。このような理由からも昼食は軽めにしておくことが大切です。

以上のように、生体リズムと自律神経系からさまざまなことが考えられます。朝食に至っては正反対のことがいわれています。

個人的な意見としては、今回述べたこと以外のことも考慮して、朝食は炭水化物は取らず、タンパク質、脂質を摂取することを推奨します。

今回は、サーカディアンリズムと自律神経系から食生活に対して述べました。このように、食事に関してはさまざまなことがいわれています。その中でも大事なことは、実際にその食事を行ってみて体がどのように反応しているかを実感することです。情報を得て自身の体で実験し、一番合う食事を見つけることが大切です。

そして、まずは命を頂いているということを自覚した上で食事を行ってください。