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肋椎関節は学校でもあまり詳しく習いません。また、小さく目立たない関節であるためかあまり重要視していない人が多いです。しかし、肋椎関節は自律神経系や姿勢制御に大きく関与しており、理学療法の臨床ではとても重要な関節です。

そこで今回は、肋椎関節の基本的な解剖・運動学について解説します。

肋骨頭関節と肋横突関節で構成される

肋椎関節は肋骨と椎骨で構成される「肋骨頭関節」、肋骨と横突起で構成される「肋横突関節」から構成されます。

肋骨頭関節は、「肋骨」「肋骨と同じ番号の椎体の上関節面」「一つ上の椎体の下関節面」の3つの骨から構成されます。隣接する椎間円板の辺縁に付着し、関節内靱帯によって2つの関節腔に分けられます。この2つの関節腔と関節内靱帯は、単一の関節包に包まれています。

通常、第1、11、12肋骨は同番号の椎体単独と関節を構成します

肋横突関節は、肋骨結節と横突肋骨窩から構成される滑膜関節です。この関節包は薄いため、肋横突靱帯と外側肋横突靱帯で補強されています。一般的に、第11、12肋骨は肋横突関節を欠きます。

肋椎関節の運動学

肋骨の運動は、肋横突関節と肋椎関節を結ぶ回転軸の空間的方向と、肋骨独特の形状により決まります。

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 上位6本の肋骨

回転軸は、前額面に対して後方に25~35°傾いています。これは、どちらかというと回転軸が前額面上に近いということです。また、肋横突関節における肋骨結節の関節面は凸状であり、横突起の凹面にぴったりはまりこみます。

このように、関節が骨形態的に安定しているため、関節内靱帯、肋骨頭、肋骨頸を横断する横軸の周りで回転運動が生じます。

そのため、上位6本における肋骨の動きは前後に大きくなります。つまり、肋骨の前方挙上と胸骨の前上方への動きが起こるということです。このことを、その動き方の特徴から「ポンプハンドル運動」といいます。

下位6本の肋骨

回転軸は矢状面に対して25~35°の角度があります。つまり、上位6本より回転軸が矢状面上になります。また、第7~10の肋骨結節は平面で、横突起との関節は滑り運動が生じます。これにより、肋骨の動きは横に大きくなります。そして、この動きは下にいくにつれて大きくなります。

この動きを「バケツハンドル運動」といいます。

以上のように、関節面の空間上、形態の違いから上位肋骨と下位肋骨では異なった動きをします。治療を行う際は、このことを頭に入れて治療する必要があります。