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肋椎関節自体は、学生のときに共通して学びます。しかし、この関節が臨床上どのように役立つかを知っている人は多くありません。実際は、体の多くの機能に関係しており、膝や腰の痛みなどにも影響します。

そこで今回は、肋椎関節と身体機能の関係について説明します。

肋骨頭関節と肋横突関節

肋椎関節は、肋骨頭関節と肋横突関節の2つから構成されます。肋骨頭関節は、肋骨頭と隣接する2つの椎骨の肋骨小窩で関節を作っています。例えば、第2肋骨は第1、2椎体間の肋骨小窩と関節を作ります。しかし,例外として、第1、10、11、12肋骨は同じ番号の椎骨とだけ関節を作ります。

一方、肋横突関節は、「肋骨結節」と「同じ番号の横突起の横突肋骨窩」と関節を構成しています。浮肋である第11、12肋骨は横突起と関節をもたず自由に動きます。

メカノレセプターとの関係

ヒトは進化の過程により、四足歩行から二足歩行になりました。そのため、重心位置が高くなり、より高度な姿勢制御の必要性が出てきました。

その姿勢制御系の変化の1つとして、関節のメカノレセプターの発達が挙げられます。メカノレセプターの発達は、姿勢の崩れをすばやく感知します。そしてその変化は、とくに脊柱、胸郭、骨盤帯で大きく起こりました。これは、脊柱、胸郭が荷重部位になったことで、より姿勢制御系への関与が大きくなったためと考えられます。

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つまり、脊柱と胸郭をつないでいる肋椎関節にも多くのメカノレセプターがあるということです。よって、肋椎関節が正常に機能していることは姿勢制御を行う上で必須ということになります。

私の経験上、多くの人が姿勢制御系、特に肋椎関節の機能障害が症状の原因となっています。また、姿勢制御系に問題が生じた場合、代償的に反射性の「筋スパズム」と「筋出力抑制」が生じます。

肋横突関節と交感神経節の関係

交感神経節は、交感神経の中継点となります。この交感神経節は脊柱の椎体前側面に位置し、その位置関係から肋椎関節と深く関係します。そのため、交感神経系に問題が生じた場合、反射として肋椎関節の動きに制限が出ます。

また、逆に肋椎関節を刺激することで、交感神経系の働きを抑制できることも研究で明らかになっています

この研究で使われた刺激は、持続的な弱い刺激です。そのため臨床において、徒手的に肋椎関節を軽く持続的に刺激することで、交感神経系の働きを抑制できる可能性があるということです。

先程も述べたように、肋椎関節の機能障害は、四肢の筋出力低下や筋スパズムを生じさせます。つまり、交感神経系の働きが過剰になると、四肢への痛みの原因になるということです。

このように、肋椎関節は自律神経系と四肢の痛みをつなげるキーポイントになります。

肋椎関節は小さく目立たない関節ですが、多くの症状の原因がこの関節に由来している可能性があります。改めて肋椎関節について考えてみると、臨床上の悩みの解決につながるかもしれません。