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人の身体は進化の過程において、四足歩行から二足歩行になることにより、さまざまな変化が生じました。そのうちの重要な一つに、脊柱が荷重部位になったことが挙げられます。

今回は、進化の過程により役割変換が生じた脊柱に関して、どのような役割変換が起こったかを解説したいと思います。

衝撃吸収を行うために脊柱のS字弯曲ができた

進化の過程に伴い、脊柱は荷重部位になりました。そして、荷重部位になったことにより、その荷重分の衝撃吸収を行う必要が生じます。その役割を担うのが「脊柱のS字弯曲」になります。脊柱はS字に弯曲することにより、バネのような衝撃吸収能力を持ちました。このバネにより、重心が高くなったデメリットの一つを解消したのです。

脊柱の弯曲がなくなると四肢にかかる負担が大きくなる

重力環境下において、身体にはニュートンの法則が成り立ちます。その中に「作用反作用の法則」があります。これはある物体Aが物体Bに作用した力は、同等の力で物体Aにはね返ってくるというものです。

身体で例えると、歩く時、体重は足から床にかかります。この床にかかった体重(作用力)と同じ分の力(反作用力)が、足から身体にかけてかかってくるということです。そして、この反作用力は身体のどこかで吸収されなければなりません。

この反作用力の吸収を主に担うのが、脊柱のS字弯曲になります。反作用力は足関節、膝関節、股関節で約20~30%吸収されます。残りの約70~80%を脊柱で吸収すると言われています。

つまり、脊柱での衝撃吸収能力が低下すると、脊柱で吸収できない分は下肢の他の関節にかかる衝撃となってしまうのです。

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以上のように、脊柱の弯曲がなくなると四肢の関節にかかる負担が大きくなってしまいます。

脊柱の可動性が低下すると四肢の関節に過剰な負担がかかる

身体を動かす時の原理として「OS-OCの原理」というものがあります。これは「軸となる関節が運動単位として正常ならば、遠位の関節は大きく動かなくてよい」という原理です。

つまり、「軸となる脊柱の関節が運動単位として正常ならば、遠位の上下肢の関節は大きく動かなくてよい」と言いかえることができます。また、「軸となる脊柱の関節が運動単位として制限があれば、遠位の上下肢の関節は大きく動く必要がある」と言うこともできます。

このように、中心である脊柱の関節に動きの制限があれば、末端である四肢の関節に過剰に負担がかかるということです。

脊柱にはバランスをとるための感覚受容器が多くある

また、人間は二足歩行になることにより、重心の位置が高くなりました。これは、より高度なバランス能力が要求されるようになったと言えます。そして、特に荷重部位になった脊柱の関節(椎間関節、胸肋関節、肋椎関節、肋横突関節)、脊柱の荷重がかかる仙腸関節にあるメカノレセプターが発達しました。

つまり、脊柱、胸郭、骨盤帯の姿勢制御系への関与が大きくなったということです。また、姿勢が崩れたときに重心補正を行う唯一の器官は、四肢・体幹の筋になります。よって、脊柱、胸郭、骨盤帯に機能障害生じると、代償的姿勢制御のために四肢・体幹筋のスパズムが生じます。

以上のように、脊柱の役割はさまざまで、その役割が阻害されることにより、多くの症状を出現させます。