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腰部脊柱管狭窄症は、一般人にもよく知られる疾患です。脊柱管内を走る神経組織(馬尾、神経根)と周囲組織(骨、軟部組織)との相互関係が破綻し、神経症状が惹起された状態をいいます。間欠性跛行を主症状とし、多くの高齢者が歩行を障害されている原因となっています。

そこで今回は、脊柱管狭窄症について解説します。

国際分類

脊柱管狭窄症は、まず先天性と後天性に分類されます。また、後天性は変性脊柱管狭窄症、合併狭窄症、医原性脊柱管狭窄症、外傷後の脊柱管狭窄症とその他に分類されます。

先天性

脊柱管の成長不全によって生じた狭窄です。特に軟骨無形成症による狭窄は代表的で、程度も強いです。

変性脊柱管狭窄症

ほとんどの人はこれが原因です。変形性脊椎症によるものは男性に多く、変性すべり分離症による狭窄は女性に多いです。変形性脊椎症によるものは、椎間板の膨隆、黄色靱帯の肥厚、椎間関節の変形・肥厚などが原因で起こります。

合併狭窄症

先天性の問題に変性性の問題が合併したり、変性性の問題に椎間板ヘルニアが合併した場合をいいます。

医原性脊柱管狭窄症

腰椎疾患に対して受けた椎弓切除や、脊椎後方固定術後などに脊柱管が狭窄して症状が惹起されている場合をいいます。

外傷後脊柱管狭窄症

過伸展損傷などにより発生した骨折、あるいは脱臼骨折の後、一定期間後に神経圧迫症状を呈することがあり、その場合を指します。

理学療法士として関わりが多いのは、変性脊柱管狭窄症によるものであり、多くはある一分節への負担が集中することによって、その病態に至ります。

症状

症状としては、神経性間欠性跛行が主で、「馬尾性」、「神経根性」、「混合型」の3つに分類されます。神経性間欠跛行は、姿勢による影響が大きいことが特徴です。伸展ストレスが加わる状態での歩行では症状が出現し、前かがみ姿勢など伸展ストレスが加わらない状態での歩行では症状が出現しません。

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一方、血管性の間欠跛行は姿勢による影響を受けません。これは、組織の酸素必要量の増加に伴って起こるため、脊柱の動きによる影響をうけません。

よって、これらはエアロバイクを行なうことによって、鑑別することができます。神経性はエアロバイクでは症状が再現できず、血管性はエアロバイクで症状が再現できます。

馬尾性

自覚症状は両下肢、殿部、および会陰部の異常感覚が特徴です。その異常感覚は痺れ、灼熱感、ほてりといった訴えが多いです。また、下肢の脱力感の訴えも多いです。疼痛の訴えはなく、症状が進行すると膀胱直腸障害を伴います。

この原因は、馬尾神経の循環障害であり、特に硬膜内の前後正中脊髄静脈、硬膜外の脊柱管内静脈叢が関係します。

伸展動作では、硬膜外圧が上昇し、硬膜外の静脈叢が閉塞されます。それにより、硬膜内静脈からの流出が障害され、馬尾内のうっ血が生じます。そして、馬尾内の阻血状態により、動脈血の流入が障害され、神経根の虚血が生じ、馬尾障害を呈すると考えられています。

神経根性

自覚症状は下肢や殿部の疼痛が特徴的です。片側性の症状が主になります。原因は、先ほど述べたような、神経根の虚血が原因と考えられています。

以上のように、脊柱管狭窄症は脊柱管の狭窄によって、さまざまな症状を呈します。大切なことは、その症状が脊柱に由来した症状なのかを判断することです。先程述べたように、閉塞性動脈硬化症のような血管性の問題でも同様の症状が起こります。

そして、脊柱に由来した症状であれば、尿閉などの緊急性の症状はない、そしてその症状は、理学療法に反応するのかを見極め、理学療法を行う必要があります。