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石灰性腱炎は激しい疼痛を訴えられることが多く、男性より女性に多くみられます。レントゲン上にてカルシウム結晶がみられた場合、これが原因で痛みが出現すると考えている人が多いのではないでしょうか。

今そこで今回は、石灰性腱炎について解説します。

石灰性腱炎の概要

腱に石灰化が起こる原因ははっきりしていませんが、組織の低酸素状態が主な病因ではないかとされています。40~50歳代の女性に好発し、左肩よりも右肩に多くみられる傾向にあります。

発生部位としては、棘上筋の停止部近位約1.3㎝に多いと言われています。ここは、骨頭よりの血管と筋腱組織の血管とが吻合している領域です。またこの部位は、肩が内転位になると、腱が上腕骨により圧搾され血管を圧迫します。

以上のような原因から、血液供給の低下、組織への酸素供給の低下が起こり、変性、壊死が生じ、そして石灰化に至るとされています。

石灰性腱炎の治癒過程

石灰化性腱炎は一般的な変性疾患の特徴とは異なり①前石灰沈着期、②石灰沈着期、③後石灰沈着期の3期に分けられ、その治癒過程を辿ります。

前石灰沈着期

始めに、低酸素状態の結果、腱の線維軟骨への変性が起こります。

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この疾患は、初期段階に慢性的な外力への応答の結果としてカルシウム結晶が沈着します。そして、腱の変性、阻血、壊死という変化が起こります。この時期は血管、細胞反応は明らかではありません。この後、病態の変化がない石灰沈着期があります。

そして、沈着物周辺は血管新生がさかんに起こり、カルシウムを除去するマクロファージが出現する吸収期になります。このとき、血管増殖、細胞惨出のため腱内圧が増大した結果、痛みが起こります。

つまり、石灰化沈着は吸収する過程で疼痛が出現することになります。

後石灰沈着期

この時期は腱のリモデリングが起こり、カルシウムが沈着した場所は線維芽細胞、新しく増殖した血管によって置き換わります。

以上のように、石灰化沈着の痛みは、カルシウム結晶が吸収されるときに、その過程で血管増殖などが起こり、腱内圧が上昇するために起こります。つまり、この反応が停滞してしまうと、疼痛が持続してしまいます。

そのため、理学療法士としては、リンパ、静脈環流を促し、治癒過程がスムーズに進むようにするに支援することが大切です。