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仙腸関節にはさまざまな役割があります。あなたは、仙腸関節の役割をどのように捉えていますでしょうか。「下肢と体幹をつなぐ重要な関節」「動かない関節」などその捉え方はさまざまだと思います。

私自身は仙腸関節のいくつかの役割を重要視し、臨床に活かしています。仙腸関節はよく「非可動関節」といわれますが、仙腸関節への治療効果は絶大です。

そこで今回は、仙腸関節の役割の中の一つである、「体幹から下肢への荷重伝達機能」について述べます。

体幹と下肢をつなぐ関節

仙腸関節は、その位置からも明らかなように、脊柱と骨盤帯をつなぐ関節です。骨盤帯を下肢帯の一部と捉えると、それは体幹と下肢をつなぐ関節ということができます。

そこに位置する仙腸関節は、脊柱の下端にかかる過重負荷を骨盤帯、そして下肢に伝える「荷重伝達機能」があります。もし、仙腸関節に問題があると、上半身の荷重負荷は分散されることなく、仙腸関節もしくはそれ以上の脊柱部で過負荷となり吸収されます。

そのため、仙腸関節における荷重伝達機能に問題がある場合、仙腸関節や脊柱の痛みにつながることがあります。

また、体幹と下肢をつなぐ関節ということは、体幹と下肢が連動する動作時には仙腸関節も連動して動く必要があります

例えば股関節の屈曲は、約90°までは股関節単独で行われますが、それ以上は仙腸関節と腰椎の動きを伴います。そのため、仙腸関節に制限があると、股関節屈曲時に、股関節もしくは腰椎が過剰に動く必要が出てきます。

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このように、仙腸関節は体幹と下肢をつなぎ、体幹にかかる荷重を下肢に伝達する機能があります。

荷重伝達機能の評価法

仙腸関節は、荷重伝達を行うために、荷重がかかった際は安定する必要があります。そして、仙腸関節は周囲の靱帯との関係から、仙骨が前傾することによって安定します。そのため、荷重伝達機能が必要な荷重時は、仙骨の前傾もしくは腸骨の後傾が起こることが正常と言えます。

つまり、荷重時に仙骨の後傾や腸骨の前傾が起こった場合、仙腸関節の荷重伝達機能が正常に機能していないということを指します。このことを評価に使うことができます。

例えば,片脚立位を行う際、被検者の後方に立ち仙腸関節の動きをモニタリングします。そして、片脚になった瞬間に仙腸関節がどのような動きをするか確認します。このときに仙骨の前傾もしくは腸骨の後傾が起こっていれば正常です。

しかし、仙骨の後傾や腸骨の前傾が起こった場合、身体のどこかに問題があり、仙腸関節での荷重伝達に問題が生じている可能性が高いといえます。この場合は、仙腸関節だけが問題ではなく胸郭や下肢の関節が原因の場合もあります。

以上のように、仙腸関節は体幹と下肢をつなぐ関節であり,それゆえに上半身の荷重負荷を下肢に伝達する働きがあります。そのため、荷重時の仙腸関節の動きを確認することによって、上半身から下半身への荷重伝達が上手く行われているかどうかの判断ができます。

特に下肢を中心とした整形疾患は、荷重伝達障害によるものが多い為、この評価を全ての評価に先立ち行うと、その後の評価・治療がスムーズに行えるはずです。