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起床時に痺れを訴えるクライアントは多いです。「朝起きたら両手が痺れている」「手が強張っている」など訴えはさまざまです。この「朝の症状」は、リウマチのような関節炎に特徴的な症状です。多くの人が、起きた時に、手に「しびれ」や「強張り」を感じたとき、リウマチを疑うのではないでしょうか。医者も、このような症状がある場合、まずはリウマチを疑うことが多いです。

しかし、実はこの「朝の症状」はその他にも原因があり、実際のクライアントの多くはこちらが原因のことが多いです。しかも、理学療法により改善できる問題なのです。

今回は、理学療法士が対応できる「起床時の手の痺れ」について解説します。

胸郭出口症候群

胸郭出口症候群はよく知られている名前です。実は、この胸郭出口症候群が「起床時の痺れ」を引き起こしているのです。胸郭出口症候群とは、胸郭の出口付近で「頚肋」、「鎖骨」、「第一肋骨」、「前斜角筋」、「中斜角筋」、「小胸筋」などにより、腕神経叢と鎖骨下動静脈が圧迫・牽引されることにより、起こる症状の総称です。

つまり、上記の構造に何かしらの問題が生じることにより、引き起こされる症状です。主な症状は「首肩こり」、「上肢のしびれ」、「上肢のダルさ」などがあります。

この胸郭出口症候群が「起床時の痺れ」を引き起こすきっかけになるのです

睡眠の問題による胸郭出口への影響

睡眠時の状況により、胸郭出口の構造に影響を与える場合があります。特に「斜角筋」「小胸筋」が関係しており、さらにその筋が付着している「第一肋骨」にも影響を及ぼします。

睡眠時のポイントは「呼吸」「姿勢」の2つです。

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呼吸の問題

呼吸の問題には「口呼吸」が影響してきます。口呼吸では、胸式呼吸優位になり、呼吸補助筋である、「斜角筋郡」の過緊張が誘発されます。これにより、胸郭出口症候群の症状を誘発します。睡眠時は、意識的に呼吸運動を行うことができないため、多くの要因により口呼吸になります。

例としては「鼻づまり」「過度なストレス」「飲酒」などが挙げられます。その他に、「喫煙」「肥満」なども口呼吸になる要因として考えられます。

口呼吸をしている人の特徴として「朝の口渇」や「睡眠不足感」などが伴うことが多く、日中の眠気を訴える人も多いです。

以上のことから、口呼吸が優位になり「口呼吸→斜角筋の過緊張(第一肋骨の上方変位)→胸郭出口症候群」という流れで、起床時の手の痺れが生じます。

姿勢の問題

姿勢の問題には「枕の高さ」「小胸筋の過緊張」が影響してきます。

「枕の高さ」は高すぎても、低すぎても斜角筋の緊張に影響します。睡眠時にその緊張を維持するために、胸郭出口症候群の症状を誘発してしまいます。このようなケースでは、枕の高さによる斜角筋の緊張を検査します。そして、異常な緊張があれば、枕の高さを変えるように指導するだけで、即時的に症状がなくなります。

また「小胸筋の過緊張」が認められる場合、背臥位を維持するだけでも、小胸筋に伸張刺激が加わり「神経」「血管」を圧迫します。それにより、胸郭出口症候群の症状を誘発します。

このような場合は、「ライトテスト」「ルーステスト」などの整形外科テストを行い、小胸筋の影響を検査します。そのうえで、背臥位姿勢の観察、小胸筋が過緊張を起こしている原因を考えます。また、上肢の下にタオルを置くなど、背臥位時の小胸筋の伸張刺激を減らす「ポジショニングの指導」も有効です。

以上のように、「起床時の手の痺れ」はさまざまな要因により引き起こされます。まずは、現在の症状が「理学療法士に対応できるのかどうか」を判断することが大切だと考えます。