スポンサーリンク

理学療法の臨床において、心臓リハビリテーションを主に行っている人たち以外でも、心疾患を既往にもった患者さんと接することは多いです。そのような人たちに対して、運動を行う際のリスク管理が重要なことは周知のことかと思います。しかし、診断もついていないような心機能の低下が、患者さんの主訴につながっていることがあることを知っていますか。

今回は、この心機能の身体への影響について解説します。

運動時の心機能

運動を行う際、収縮期血圧、心拍出量、心拍数などは上昇します。これは、運動により末梢組織でのエネルギー必要量が増加するためです。そのエネルギー源を組織に運ぶために、交感神経系が優位に働き、組織への血流量を増やします。そのため、逆に運動時に働く必要のない内臓への血流量は減ります。

つまり、運動時には、心拍出量や心拍数が増加しないと、身体は運動を行えないということです。

通常では、このような反応は自律神経系により正確に調整されています。しかし、何らの原因でこの調整機能が障害されている人が多いと感じています。

スポンサーリンク

考えられる原因は、降圧剤、運動不足、睡眠不足などの生活習慣、加齢などがあります。この中でも、今まで症状の原因が、このような心機能の低下だと疑った症例は、降圧剤を服用している、もしくは服用歴がある患者さんです

臨床症状

主な臨床症状としては、運動耐容能の低下、動き始めの症状(疼痛、痺れ等)などを経験しています。

そして、このような患者さんは、実際に運動を行ってもらうと、自覚的な疲労感と心拍数の増加が伴いません。通常、運動強度が上がるにつれて、自覚的な疲労感、心拍数は伴って上がります。しかし、心機能が低下した状態だと、自覚的疲労感のみ上がり、心拍数は上がらないという現象が生じてしまいます。

実際、このような患者さんには、低負荷の運動から始めて、少しずつ運動負荷に対する心臓の反応を引き出していくしかないと考えています。

以上のことは、完全な経験論ですが、本当に多く遭遇する症状です。また、このような患者さんはほとんどが治癒不全が起こっている印象です。

もし、担当している患者さんで、上記のような症状が認められる場合は、心機能の低下を疑ってみてください。そして、服薬状況の再確認を行い、降圧剤を服用していないかの確認まで行ってください。