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過労性脛骨部痛症候群(以下シンスプリント)は、理学療法士として良く遭遇する疾患です。若いスポーツ選手などに多く、整形のクリニックではよく見かけます。

また、シンスプリントはその症状改善に難渋することがあります。

それは、シンスプリントの原因を追及していないことに問題があります。シンスプリントのようにある特定の筋に問題がある場合、その筋に対してストレッチやマッサージを行うだけの人がまだ多く見られます。

筋に原因がある場合、その筋を過剰に使っている原因があるはずです。その原因を探さずに、現れている症状に対してのみ治療するために、このようなケースは難渋します。

そこで今回は、シンスプリントについて一般知識からその原因の考え方までを解説します。

シンスプリントとは

シンスプリントは、以前はいくつかの病態を指していました。基本的には、下腿中1/3の脛骨部に疼痛を有するものとされています。

そして一般的にこの症候群は、病理学的に、腱炎から筋炎、そして骨膜炎へと進行し、さらにはコンパートメント症候群、疲労骨折へと進行するという特徴があります。このような変化が後脛骨筋とその付着部に生じるため、後脛骨筋がその原因とされます。

シンスプリントの原因

シンスプリントは、典型的な過用症候群です。固い地面での走行や靴の問題、過度の長距離走などの外的問題や過度の大腿骨前捻角、脛骨外捻、過度の足部回内、踵骨の過剰な外反、軟部組織や下肢のアライメントなどの内的問題が組み合わさることによって生じます。

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そのため、何が原因かということを一概には言えませんが、多くは外的問題よりも内的問題に原因があることがほとんどです。

先ほど、病理学的変化で、コンパートメント症候群を後の方に書きましたが、実際は軽いコンパートメント症候群からその病態は始まります。シンスプリントを患う人の多くは、腰椎の前彎が不足しており、その代償のため下腿三頭筋にスパズムが生じています

これは、腰椎の前彎による前方への推進力を代償するために生じる反応と考えます。

そして、下腿三頭筋のスパズムは、下腿後方のコンパートメント症候群を誘発します。それに伴い、後方のコンパートメント内にある後脛骨筋が圧迫されて、機能不全に陥ります。

後脛骨筋は、足部の内側縦アーチの保持に関与します。そのため、後脛骨筋の働きが悪くなると内側縦アーチは低下します。さらに、内側縦アーチが低下すると、舟状骨に付着する後脛骨筋は遠位方向に牽引され、その近位部の腱が伸張されることで、腱炎を引き起こします。

このように、腱炎からコンパートメント症候群が生じるのではなく、コンパートメント症候群から腱炎が生じることが多いのです。

そして、根本的な原因は腰椎の前彎不足であることがほとんどです。そのため、子供のゲームや携帯の使い過ぎによる腰椎前彎不足、勉強のし過ぎによる前彎不足は、シンスプリントの原因になりやすいです。

以上のように、シンスプリントの原因も、元をたどると生活習慣にあります。ここまで、原因を落とし込んで治療を行うと、治療に難渋することが少なくなるはずです。