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膝蓋大腿関節は、膝の痛みの中で、よくその原因部位と考えられる部位です。とくに階段昇降動作やしゃがみ動作での疼痛の訴えが目立ちます。そして、膝蓋大腿関節の動きはよく知られている、上下方への動きだけでなく、さまざまな方向へ複雑な動きをします。

そこで今回は、膝蓋大腿関節の運動学について解説します。

膝関節の運動に伴う膝蓋骨の動き

膝蓋骨は、膝関節の動きに伴って動きます。屈曲時に大腿骨に対して下方へ動き、伸展時に上方へ移動することはあなたが知っている通りです。しかし、実はこの動きに加えて、前額面上での動きと冠状面で動きの2つの運動も起こっているのです。

前額面上では、膝蓋骨は膝関節屈曲運動に伴って、7°以上外旋します。この場合の外旋とは、膝蓋骨下縁が内側に向く動きです。このとき、外側広筋の過緊張や外側膝蓋大腿靱帯、内側膝蓋脛骨靱帯の癒着はこの運動を制限します。

この運動は屈曲130°までに続きます。その動きは60°までに大きく、それ以上は動きが緩徐になります。とくに90°以上は大腿骨顆間部に入り固定されるため、さらに動きが制限されます。

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一方、冠状面上では、膝蓋骨は膝関節屈曲運動に伴って、11°以上内旋します。この場合の内旋とは膝蓋骨外側縁が浮き上がるような動きです。このとき、外側広筋斜走繊維、外側膝蓋大腿靱帯の癒着はこの運動を制限します。

この運動は屈曲115°までに起こり、とくに屈曲25~45°、90~115°の間で大きく起こります。

膝関節屈曲時の膝蓋骨の運動軌跡

膝蓋大腿関節の接触面から膝蓋骨の運動をみると、膝蓋骨は完全伸展位では大腿骨顆部近位内側前面に位置し、大腿骨とは接触していません。その後、屈曲10~20°で接触を開始し、屈曲角度が増すにつれて膝蓋骨側の接触面は遠位側から近位側に移動し、90°で最も近位側に達します。

90°以降は、接触面が両側に分かれ、再び遠位側へと移行します

以上のように、膝蓋大腿関節はよく知られる上下方への動きだけでなく、前額面、冠状面の動きも起こります。

そして、これらの動きは周囲の軟部組織に大きく影響されます。つまり、膝蓋骨周囲の軟部組織の緊張や癒着は、膝関節の動きに大きく影響するということです。そのため、正常な可動域の獲得のためには、これら軟部組織の正常化が必須ということです。