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膝窩は伸展制限の原因になったり、腫脹が発生したりと、理学療法士としてよく関わる部位だと思います。しかし、その構造は複雑で理解しにくいです。

そこで今回は、膝窩の構造について解説します。

膝窩周囲の筋

膝窩の構造は皮膚、浅筋膜、筋、神経、血管、靭帯によって形成されます。その中でも、筋は膝窩の外形を作る主な構造になります。

膝窩はダイヤモンド状の空間で、その上縁は内側の半腱様筋と半膜様筋腱の遠位端に、外側は大腿二頭筋の遠位端によって形成されます。下縁は内側が腓腹筋内側頭、外側が腓腹筋外側頭と足底筋によって形成されます。

膝窩の天井は深筋膜によって形成され、上方は大腿筋膜、下方は下腿筋膜に連続します

その他にも膝窩筋がありますが、膝窩筋は最深層で血管系や神経系よりも深層にあります

膝窩の内容物

膝窩の主な内容物は、膝窩動脈、膝窩静脈、脛骨神経、総腓骨神経の4つです。

脛骨神経と総腓骨神経は、坐骨神経の主要な枝です。この2つの神経は神経血管の中で最も浅層にあり、大腿二頭筋縁の下方から膝窩に入ります。その後、脛骨神経はそのまま垂直に下行し、足底筋縁の深層へ出ます。一方、総腓骨神経は大腿二頭筋腱に沿うように膝窩から出ていき、腓骨頭を周り下腿の外側に入ります。

この特徴ゆえに、総腓骨神経の症状は膝外側に現れ、膝関節動きによって誘発される場合があります

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膝窩動脈は大腿動脈からの続きであり、内転筋腱裂孔を後方へ通り抜けた後から始まります。その後、半膜様筋縁の下方から現れ、脛骨神経と共に膝窩を斜めに下行し下腿に入ります。そして、膝窩動脈は神経血管の中で最も深層にある構造です。そのため、触診は困難ですが、脈拍は簡単に触知できます。

また、膝窩動脈の浅層には膝窩静脈があり、これに伴行します。その後、膝窩静脈は内転筋腱裂孔を通って大腿静脈になります。

膝窩の最表層

膝窩の最表層は浅筋膜と皮膚によって覆われます。浅筋膜内には小伏在静脈があり、この血管は足の足背静脈弓の外側から浅筋膜内を垂直に上行します。その後、膝の後方まで上行し、膝窩の後壁を構成する深筋膜を貫通し、膝窩静脈に注ぎます。

その他に、膝窩の後壁を後大腿神経が通ります。この神経は膝窩の後壁を貫通後、小伏在静脈に沿って下行し、下腿後面上半部の皮膚を支配します。

以上にように、膝窩にはさまざまな構造物があり、それらが複雑に位置しています。とくに臨床上重要なのは膝窩の血管系であり、先ほど述べたように小伏在静脈は浅筋膜、深筋膜の両方と関係します。つまり、この筋膜系の障害は、小伏在静脈による静脈環流を障害し、その部位の循環障害を引き起こす可能性があるということです。

このように膝窩の構造を考えると、臨床でのさまざまな症状の原因が見つかるのではないかと思います。