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「ヒアルロン酸はとった方がいいですか?」「サプリメントはとった方がいいですか?」などの質問は、日常的に患者さんに問われる質問ではないでしょうか。この質問に対して、あなたはどのように答えているでしょうか。

今回は、変形性関節症のサプリメントに対する私なりの考えを述べます。

変形性関節症は、ヒアルロン酸不足で生じるのか?

そもそも、変形性関節症の多くは、一般的にいわれるヒアルロン酸が不足することによって生じるのでしょうか。

ヒアルロン酸は、関節液の成分の一部で、関節液に粘稠性を与えている成分です。そして、この粘稠性があることによって、関節は円滑に動きます。この作用の他にも、水分保持作用、創傷治癒作用などがあります。また、確かにヒアルロン酸(コンドロイチン、コラーゲンも同様)の濃度は加齢によって低下します。

また、このことに関しては、多くの研究がなされています。加齢によるヒアルロン酸の変化は、量ではなく濃度の低下であり、それが粘稠性を低くしているということがいわれています。

今回は、研究に関しては置いておき、一般的に考えてみます。

例えば、加齢によるヒアルロン酸濃度、粘稠性の低下が起こったとします。加齢は誰にでも起こります。もし、これが変形性関節症の原因なら、歳をとると誰でも変形性関節症にということになります。

しかし、変形性関節症になっていない人は多くいます。むしろ、変形性関節症になっていない、もしくは変形性関節症になっていても、症状が出ていない人の方が大半ではないでしょうか。変形性関節症などの病態があることと、症状が出現することはイコールではありません

このことは、腰痛などの研究で、一般人にも多く理解されてきていますが、未だに医療従事者でも、病態=症状という考えをもった人がいます。

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「何で痛いのでしょうか?」と問われ、「レントゲン上で変形が見られるから」「MRI上で半月板が損傷しているから」と答える医者は多いはずです。画像上で何かしらの病態が見つかっても、それが症状を引き起こしているかどうかはわかりません。

むしろ、「画像で病態があり、それが痛みの原因である」ということを、患者さんの頭に植え付けることによる悪影響の方が大きいです。

以上のことから、加齢によって関節の粘稠性、ヒアルロン酸濃度が低下することは事実ですが、それが変形性膝関節症の発症につながっているかはわからない。少なくとも、一番の要因ではないということがいえるかと思います。

サプリメントの摂取

それでは、サプリメントの摂取は意味がないのでしょうか。これに関しても、さまざまなことがいわれています。「腸管で吸収される際に、一度分解されるから意味がない」「そもそも、血液内に入っても、罹患関節のみに有意に分布はしない」などです。

一方ある研究では、経口摂取後、90%以上の腸管吸収が認められ、血液内のヒアルロン酸濃度の上昇が認められたなどの報告もあります。

しかし、どちらにしても先ほど述べたように、ヒアルロン酸濃度の低下は変形性関節症発症の一番の原因とは考えにくいです。そのため、私の考えは、サプリメントにしても、注射にしても補助的なものと考えると良いかと思います。

サプリメントにしても注射にしても安くありませんので、後は、その人の価値観で判断すれば良いと思います。

サプリメントについて色々述べましたが、結局は、多くの変形性関節症は、「持続的なメカニカルストレスの持続」、もしくは「体の治癒反応の低下」が原因だと考えています。よって、変形性関節症の治療の中心は理学療法になると考えています。

変形してしまったものは、治りません。しかし、発症と変形後の進行予防は可能ですので、理学療法士として、このことに関わっていくことが大切です。