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手根管症候群は臨床でもよく遭遇する疾患ではないでしょうか。手の痺れや母指球筋の萎縮を特徴とし、中年以降の女性によく見られます。

そこで今回は、手根管症候群について解説します。

手根管症候群とは

手根管症候群とは、手根管内における正中神経の圧迫麻痺であり、最も多くみられる紋扼性神経障害です。中年以降の女性に多く、屈筋腱腱鞘炎、手の過用、透析後のアミロイド沈着、妊娠などによる浮腫、骨折後の変形、ガングリオンなどが関係しているといわれています。

また、手根管とは背側の手根骨と掌側の屈筋支帯で構成される管腔で、体表からは手首皮線から末梢3㎝に存在します。この中を正中神経と9本の屈筋腱が通ります。

正中神経は、本幹のみが手根管内を通り、母指近位部の知覚を司る掌枝は、屈筋支帯の掌側を通ります。母指球筋を支配する神経は、ほとんどが手根管出口付近で本幹から分岐します。この正中神経が圧迫されることにより、手根管症候群は発症します。

その病態は、手根管内圧の上昇によるものとされていますが、多くは原因不明の特発性です。関係している因子としては、先ほど述べたものに加えて、ホルモン異常などとの関係性も疑われています。

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症状としては、正中神経領域の異常感覚、夜間痛、知覚障害であり、病態が進行すると母指球の萎縮、母指対立障害も出現します。

治療には、保存的治療と観血的治療があります。筋萎縮が明らかな場合、腫瘍などの物理的原因である場合、保存的治療で経過が悪い場合は、観血的治療を行います。

保存的治療

手根管症候群の身体検査にはTinel徴候、Phalenテスト、手関節伸展テスト、正中神経圧迫テストなどがあります。代表的なものはPhalenテストで、掌屈位の両手を背側でお互いに圧迫し、その状態を保持します。このとき、症状が誘発、悪化したら陽性です。

理学療法士として改善できる問題では、手根骨のアライメント不良による手根管の狭小化、筋攣縮による手根管内圧の上昇、屈筋支帯の拘縮による手根管内圧の上昇、正中神経の癒着による症状などさまざまです。

症状の問題が100%機能的な問題であれば、即時的に症状の改善が認められます。そのため、緊急性がない場合は、実際に保存的治療を行い、経過を追うことが選択されます。

以上のように、手根管症候群は理学療法で症状を緩和できる場合があります。そのため、理学療法士としてこのような基本的な知識を持っていることは必須になります。