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椎間板は腰痛の原因としてよく挙げられる組織です。椎間板は身体の中で最も大きな無血管性構造であると考えられ、非滑膜性関節になります。そのため、機能的には半月板や恥骨結合の恥骨軟骨などが類似しています。

この椎間板の特徴を理解するために、まずはその構造を理解する必要があります。そして、その構造の中に椎間板の機能を理解するヒントがあります。

そこで今回は、この椎間板の構造について解説します。

椎間板の構造

椎間板は3つの構造から成ります。それは髄核と線維輪、そして軟骨性の椎骨終板の3つです。腰椎の椎間板は脊柱のなかで最も厚く、さらに前方の方が後方より高くなっています

椎間板の構成要素の大部分はプロテオグリカン、コラーゲン、水で構成されます。そのうち水が95%を占めていることから、いかに椎間板にとって水が大切かということがわかると思います。また通常、細胞は主に解糖過程によってプロテオグリカンを合成します。椎間板も同様で、無酸素過程によって乳酸が産生されます。

そのため、中心部ではpHが低くなり、線維輪は自然な退行が起こりやすい状態となっています。しかし、椎間板は自然とそのバランスを調整しているため、その退行は防がれています。

さらに、よく話題に挙がる椎間板の神経支配に関しては、線維輪の外側1/3、とくに後縁には感覚繊維が分布し、固有受容器と侵害受容器の機能があります。また、椎間板の外側と前方の一部は、交感神経幹からの灰白交通枝の支配を受けています。

このように椎間板は、基本的には神経支配があるため、自己修復と自己再生が可能な構造体であると考えられます。

椎間板の水分含有量の変化

椎間板にとって水が大切なことは先ほど述べました。椎間板への組織液の出入りは、圧迫刺激によって起こります。この組織液が椎間板内に入ることによって、椎間板は栄養されます。さらに、水分の吸収によって膨らむことで、圧迫刺激に対する抵抗を作ります。

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つまり、椎間板の正常な機能の確保には、脊柱の運動が必須であり、運動が加わらないと退行変性が進行するということです

これが、椎間板性疼痛の人が、同じ姿勢をとっていると痛みが出てくる理由の一つです。

具体的には、圧迫刺激で椎間板から組織液は外に流れ、その刺激がなくなると再度吸収されます。そのため、1日中体重を支持している間に組織液が外に流れ、椎間板は薄くなります。この様な理由から、夕方には身長が低くなりますし、加齢によって身長が低下するのもこの椎間板の影響がほとんどです。

そして、横になると組織液は再吸収されます。この再吸収は約5時間の睡眠で得られるとされています。しかし、状態によっては、この再吸収が過剰になり、通常以上に椎間板が膨張してしまうことがあります。椎間板が膨張すると、椎間板の周囲にある靱帯などの組織が伸ばされた状態になり、動きに対する反応が鈍くなります。

通常、靱帯はある程度の伸張刺激が加わると、それ以上伸ばされないように体に指令を出し、筋を収縮させ安定させたりします。しかし、椎間板が膨張し、靱帯が伸びた状態であると、この反応が鈍るということです。

これが、起床時の動き始めに腰痛が出現するメカニズムです。これは、椎間板の変性が強い人、前日に長時間座位をとるなど、椎間板に過剰な負担をかけた人に起こりやすいです。このような場合は、就寝前に「ファーラー肢位」などをとることによって、椎間板への組織液の再吸収を促しておくと、過剰な膨張は防ぐことができます。

以上のように椎間板性の症状を理解するには、水の重要性を理解しておく必要があります。椎間板性の疼痛は少し治りにくい印象がありますが、このような知識を駆使すれば、症状の改善につながるはずです。