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肩関節の夜間痛は、よく遭遇する訴えだと思います。夜間痛はそのときの痛みだけの問題ではなく、痛みによる睡眠不足などの問題も生じ、さらに疼痛を悪化させることにつながります。

そのため、場合によっては薬を用いて一時的にでも症状の改善を図った方が、症状の改善がスムーズな場合もあります。そして、この夜間痛の原因はさまざまなことが言われており、それを知っていることは理学療法士として必須になります。

今回は、夜間痛のメカニズムについて解説します。

夜間痛の病態

肩関節の夜間痛の病態は、さまざまなことが言われています。主な病態として、烏口肩峰弓周辺の圧変動、骨内圧の変動、肩甲上腕関節の拘縮が挙げられます。烏口肩峰弓周辺の圧変動に関しては、腱板炎や肩峰下滑液包炎、腱板疎部損傷などの炎症性変化によって、その圧力が上昇することが考えられます。

特に烏口肩峰弓下の間隙は、坐位や立位では上肢の重量により拡大しますが、背臥位では拡大しないため、夜間に疼痛が出現しやすくなると考えられます。そして骨内圧に関しては、筋攣縮を含む拘縮要素が骨内圧の上昇を引き起こすと考えられます。

さらに骨内圧は、関節運動を伴う自動運動より等尺性収縮の方が上昇するとされています。そのため、筋攣縮がある場合は就寝時に等尺性収縮が起こっているため、骨内圧が上昇し、夜間痛が起こっていると考えられます。

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また、夜間痛を訴える人は、臼蓋上腕骨間角度が有意に拡大しているという報告もあります。つまり、夜間痛がある人は外転拘縮を起こしているということであり、肩関節上方組織の拘縮が生じているということが考えられます。

肩峰下滑動機構

上方組織の拘縮の要因としては、肩峰下滑液包と腱板の癒着、腱板のスパズム、浮腫、短縮、腱板疎部などの拘縮などが考えられます。その中でも、肩峰下滑液包と腱板の癒着はよく見られる病態です。

通常は、外転運動の際に棘上筋は近位方向へ収縮し、内転運動の際は遠位方向に伸張されます。そして、この運動時は肩峰下滑液包と棘上筋の間に円滑な組織間の滑走が生じています。もしこの部位に、炎症による浮腫やその後の修復過程での癒着などが生じ、この組織間の滑走が上手く起こらないようになると、外転拘縮を起こすことになります。

これは肩峰下滑動機構の障害として考えられ、夜間痛を引き起こす原因になります。

以上のように、夜間痛を起こす原因はさまざまです。そのため、夜間痛といってもその対処法は人それぞれです。

もし、あなたが担当する患者さんで夜間痛を有している人がいる場合は、その原因を的確に抽出し対応することが大切です。