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東洋医学では、舌には全身の状態が現れているとされています。例えば、舌の異常が起こっている場所によって、どの臓器に異常があるかがわかります。また、舌苔の厚さによってその病気の軽重がわかります。

このように、舌を診ることで全身のさまざま状態を予測することができます。しかしそのためには、舌の正常な状態というものを知っておく必要があります。

そこで今回は、正常な舌の状態と、形態に異常がある舌について解説します。

正常な舌の状態

東洋医学では、正常な舌の状態を「淡紅舌薄白苔」といいます。これは、舌の色は薄赤く鮮やかで、苔は薄くて白く見える状態です。そして、舌体の大きさはちょうどよく、柔らかで自由に動かすことができます。さらに舌面には潤いがあります。少し舌中に亀裂があったり、舌根に少し厚めの苔があっても問題ありません。

この舌は、臓腑の働きがよく、気・血・津液が充実し、全身の機能がうまく調整されているということを表しています。子供の舌などが良い例で、簡単にいうと、気持ちが良い舌と感じるような舌です。

舌色は、茸状乳頭を通して血液循環の状態を表します。苔は糸状乳頭といろいろな老廃物、食べ物カス、粘液または細菌などの混合物からなり、特に消化機能と栄養状態を表します。また、病原菌の侵入や代謝異常なども苔に表れます。

また、舌の状態は妊娠や嗜好品、季節などによっても変わります。それらの変化は特に異常を表しているわけではないため、問診によってそのような情報も聞き出しておく必要があります。

舌の形態異常

舌の形態の異常には代表的なものが4つあります。それは「胖大舌」「痩薄舌」「裂紋舌」「紅点舌」の4つです。今回はこの中でもわかりやすい、胖大舌と痩薄舌について解説します。

胖大舌

これは舌体が正常より厚く大きい状態を指します。この状態は赤い胖大舌と淡い胖大舌の2つに分けられます。

前者は、お酒の飲み過ぎや美食家、脂肪肝、痛風、糖尿病などの人によく見られます。これらの疾患によって老廃物が積み重なり、内臓機能の異常につれて組織、粘膜細胞の充血が起こり、舌が赤く腫れると考えられます。

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東洋医学的には痰・湿・熱邪で起こります。痰とは、簡単にいうと体液の代謝障害によって、その流れが滞ってできた、濃く粘っこい性質をもつもの全般を指します。具体的には喀痰液などです。

湿も体液の代謝障害によって生じるものですが、痰より水っぽい性質で、関節水腫や浮腫などがこれに当たります。そして熱邪とは、その字の通り代謝が亢進し、熱感や体温上昇、炎症などを起こす原因のことを指します。

つまり、このような舌だった場合、全身的な体液の循環障害に加えて局所の炎症などが起こっている可能性があります。また、飲食の不摂生があることが多く、脂っこいもの、甘いもの、酒量などの摂取量が多い傾向にあります。

痩薄舌

これは舌体が正常より薄くて小さくなった状態です。この状態も淡い痩薄舌と赤い痩薄舌の二つに分けられます。

基本的に舌が痩せるのは、全身の栄養状態に問題があり、舌の筋と粘膜が委縮している状態です。また舌の色が淡い場合、気血両虚という状態を表しています。気血両虚とは、全身の気と血が足りない状態であり、簡単にいうと全身に栄養がいっていない状態です。

この場合、舌色と顔色が薄く、体がだるい、動くと汗が出やすい、大声が出ないなど症状がみられます。慢性の非炎症性腸疾患、胃・十二指腸潰瘍などでの長期間の栄養吸収障害、慢性出血による貧血、代謝異常、悪性腫瘍などが具体的な例になります。

また舌の色が赤くて薄い場合、気陰両虚という状態を表しています。気陰両虚とは、全身の気と体液が不足した状態であり、簡単にいうと元気がなくなったうえに、熱性の病態が起こり体液も足りていない状態です。

この場合、舌色が赤くなり、舌面も乾燥し、しわも見られます。また、全身機能が衰え、声が低く、息が細い、気力が出ない、口が渇き、寝汗、のぼせ、微熱などの症状が出現します。

つまりこのような舌の場合、ほとんどのケースが内臓の機能が低下し、栄養吸収が上手く出来ていない状態にあります。そのため、濃い味のものや脂っこいものを食べすぎないように気をつける必要があります。

以上のように、ただ舌が大きいか小さいか、肥えているか痩せているか、赤いか淡いかをみるだけでこれだけのことが予測できます。まずはこの舌の形態の異常から確認してみてください。浮腫みが強い方や筋力がつきにくい方の舌などを比較してみると面白いかもしれません。