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自律神経系に関しては、知識はあるが、理学療法にどうかかわってくるのかイメージが出来ないという人がおおいのではないでしょうか。

そこで今回は、自律神経系の重要性について述べます。

自律神経系は生命機能維持装置

自律神経系は「睡眠」「食事」「運動」といった、人が生きるために必要なものに大きく関わってきます

夜になると眠くなるのは、自律神経系のリズムが関係します。食べ物を食べると、食べた物は、無意識のうちに体のエネルギー源に変わります。これも、自律神経系が内臓の働きを調整しているおかげです。また強度の強い運動を行ったとき、呼吸や心臓の働きを活発にし、細胞に酸素を送ることが出来るのも自律神経系の働きです、

このように、自律神経系は人間が生きるための機能を司っているのです。

自律神経系の特徴は、無意識下に働くことです。もし、無意識に働かないと寝ている間に心臓は止まりますし、食べ物を食べた後も、ずっと意識して消化・吸収しないといけなくなります。生きている限りは、自律神経系が全く働かないことはありません。自律神経系は、生命機能の維持をしているのです。

症状のほとんどは生きるための警告信号

自律神経系は生きるために必要です。そして、生命を維持するために、体に危険が迫っているときは、何かしらのサインを出します

例えば、睡眠が不足し、脳や筋肉の疲労が過剰になった際は「眠気」を誘います。体にエネルギーが足りないときは、脳に知らせて「食欲」を誘います。このサインに従順に従えば、生命維持機能に問題は生じません。しかし現代人の多くは、このサインを無視した生活をしています。その結果、さまざまな病気になっているのです。

実は、この病気も生命維持のためのサインと考えることができます。

体は段階を追って、体に気づかせようとしています。初めは「眠気」「食欲」などの正常な反応。そして、「頭痛」「筋力低下」「胃もたれ」など、病気の前に起こる不調。それを無視すると「うつ病」「変形性膝関節症」「胃潰瘍」などの病気が発症します。

このように、病気はいきなり起こることはありません。いくつか体からのサインがあり、それを無視した結果、病気になるのです。そして、その病気も無視すると「死」に至ります。

現代人は自律神経系からのサインを無視している

現代人は、眠気があるのに、栄養ドリンクを飲み仕事をし、疲れがあるのに趣味のスポーツを行ったりします。これは、体の声を無視し、脳の欲求に従った行動になります。自律神経系を介して発せられる、せっかくのサインを無視しているのです。このような行動をしていると病気になります。

「仕事をしないと家族を養えない」などといわれる人もいると思います。しかし、病気になって働けない状態になると、元も子もありません。

もし、患者さんでそのような人がいた場合、機能改善の前に、その人の価値観を変える必要があるかもしれません。

理学得療法士としては、患者さんが病気になる前に、自律神経系からのサインを読み取り、患者さんに気付かせたり、治療によって改善を促したりすることが大切だと考えています。

 

現代社会の70%の人は交感神経系が優位

自律神経系が、交感神経系と副交感神経系に分類されるのはあなたも知ってのとおりです。そして、交感神経系というものは興奮に、副交感神経系とは安静に関与しています。

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この2つの神経系は相互に作用しており、一方の働きが強くなると、他方の働きは弱くなります。また、この2つの働きが同時に弱くなることもあります。

現代社会においては、ほとんどの人が交感神経系優位な状態になっている考えられます。ストレス社会と言われているように、誰でも、仕事や家事、介護、人間関係など多くのストレスを受けています。このストレスは交感神経系を活発にします。

ちなみにストレスが生じた時に、交感神経系が活発になるのは体の防御作用です。例えば、森でクマと遭遇したとします。この時、交感神経系が活発に働くようになるわけですが、それは、この現状から逃げなければならないからです。この時、交感神経系がうまく働かないと逃げることができず、クマに襲われます。

以上のように交感神経系とは、体が現状から自分自身を守るために働いてくれる神経系となります。

しかし、この交感神経系も活発に働きすぎると疲労します。その結果生じるのが、「うつ状態」などです。過剰なストレスで交感神経系を使用しすぎると、交感神経系が疲労し、本当に必要な時に働かないようになってしまいます。

交感神経系の中枢は胸髄にある

実は、このように疲労してしまう前にも、交感神経系の過剰な働きは体に影響を及ぼしているのです。交感神経系の中枢が胸髄の側角にあることは学んだと思います。

つまり、自律神経系を介した情報は、胸髄に伝えられるということです。自律神経系の多くは内臓の調整を行なっています。そして内臓の多くは、Th4~12から生じる大内臓神経と小内臓神経に調整されています。

内臓の不調は脊柱のS字弯曲と可動性を低下させる

身体の反射には「内臓体性反射」といものがあります。これは内臓に機能障害が生じたとき、その内臓の支配レベルと同じ高さの脊柱起立筋に反射性の過緊張が生じるというものです。そして、筋の収縮だけでなく、関節の可動域制限、感覚過敏性といった症状が出現します。

そのため、もし脊柱の関節可動性が制限や、過敏性が認められた場合は、その神経支配レベルの内臓に機能障害があることを疑う必要があります。また、脊柱起立筋の過緊張は脊柱の弯曲を小さくする方向に働きます。

つまり、「内臓の不調→内臓自律神経反射→脊柱のS字弯曲、可動性の低下」となります。

ちなみに支配レベルは以下になります。

胃、肝臓、膵臓、脾臓 Th6-9
十二指腸~横行結腸 Th8-12
下行結腸 Th12-L2
副腎 Th6-L2
腎臓 Th10-L1
S状結腸 S2
直腸 S4

脊柱のS字弯曲の減少と可動性の低下は四肢関節への負担を増やす

脊柱のS字弯曲と可動性の低下は結果的に、四肢関節の負担を増やします。

脊柱のS字弯曲が小さくなると、脊柱による衝撃吸収能力が低下します。そうなると、その他の四肢の関節にその分の衝撃が加わり、過剰な負担となります。また、中心である脊柱の関節の可動域が制限されると、動作の遂行において四肢末端の関節が過剰に動く必要が出てきます。

以上のように「自律神経系の機能障害→脊柱のS字弯曲、可動性低下→四肢関節の過負荷→四肢関節の痛み」という流れができます。このように自律神経系の機能障害は身体機能につながるということです。