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理学療法士にとって、薬に関する知識は学校で習うことはほとんどありません。そして、臨床に出ても、理学療法士向けの薬の勉強会などは多くありません。

しかし、臨床で対峙する患者さんのほとんどは何らかの薬を飲んでいます。そして、その薬のいわゆる副作用というものは、理学療法士が関わる症状に少なからず関係しています。そのため、理学療法士が薬に関する知識を有していることは必須です。

また、薬剤に関して大前提として「ほとんどの薬は病気を根底から改善するためのものではなく、症状を緩和させるためのもの」ということを頭に入れておく必要があります。

そこで今回は、薬のメカニズムを知る上で欠かせない、「受容体」について述べます。

受容体の発見

薬が体に作用するということは、その物質が身体の何かに変化を生じさせているということです。薬は投与された後は吸収され、それぞれの臓器や組織に分布します。そして、特定の臓器に働きかけて、薬理作用が発現されるということです。

そのときに必要になってくることが「薬は細胞膜や細胞内成分にどのように結合し、その薬理作用を発揮しているのか」というメカニズムです。そこで仮説として、「受容体」という概念を使いそのメカニズムが説明されました。

この仮説のおかげで、「薬が身体の中にある生理的刺激物質にどのような変化をもたらすのか」とういうことを容易に理解できるようになったのです。そして実際に、1970年代にその受容体の存在が確認され、仮説ではなくたりました。

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実際の受容体の概念は、単純な薬の受け皿ではなく、血液や神経を通して与えられた情報を各細胞に振り分けるというものです。

受容体は、細胞に届いた情報が適切なものかを判断し、適切なものであれば細胞内へ情報を伝達するという特異的な機能をもったものであるという認識がされるようになりました。

受容体の働きと性質

受容体の多くは、細胞膜に発現しているタンパク質によって構成され、このようなものは「細胞膜受容体」と呼ばれます。また一方で、細胞質や細胞核内にある受容体は「核内受容体」といいます。

通常、薬やホルモンは、低濃度で作用するという特徴があります。薬が受容体に結合すると、その相互作用が生じることで細胞内に情報を伝達し、体に何らかの変化を起こします。つまり、受容体は変換器の役割をしており、細胞外部の情報を細胞内部に伝えることができる情報に変えて実際に伝達しているのです。

また、受容体に必要な性質として「薬を引き付ける」というものが必要です。これは「親和性」と呼ばれ、この親和性が高ければ高いほど、薬の濃度が低くても強い作用を発揮することになります。そして、結合によってある反応を誘発する薬を「アゴニスト」、逆に拮抗させる薬を「アンタゴニスト」といいます。

以上のように、受容体にはある物質に特異的に反応するという特徴があり、各受容体には、それぞれ「アセチルコリン受容体」や「アドレナリン受容体」など、結合する物質の名前がつけられています。

このような基本的なことを知ることで、より薬の体への影響を理解することができるようになります。